物凄く難しいことを言ってみる。
期待させたら、それを下回る上がりをしてはならない。
たとえば冒頭のワクワクが、本編で尻すぼみになること。
たとえば期待させるキャラが活躍しないこと(出落ち)。
たとえばとんでもない謎で引っ張って、いざ明かされたらガッカリなこと。
そういう詐欺にあなたは観客として、
結構引っ掛かって来ただろう。
その時の失望や怒りや、ある種の諦めを、
忘れてはならない。
それは、あなたの作品でやってはならない。
小さいときに教えられたでしょ?
自分がやられて嫌なことを、他人にしちゃいけないって。
期待を下回るのは、作家として一番やってはいけないことだ。
期待に応えること、
期待を読みきること、
その期待を期待以上で返すことが、
あなたの仕事である。
さて、その期待はどうやって作られる?
序盤である。あるいは作品がはじまる前だ。
序盤で、この先こういう感じのことが待っているだろうと、
期待が起こるはずである。
あなたは、うまく期待させ、うまく期待に応えなければならない。
さて、それが出来ないのには、
以下の原因があるだろう。
1. 出来もしないハッタリで、期待させすぎている。
2. なんとか応えようとしたのだが、思ったより下回った話で終わった。
対策はこうだ。
1. 少なくとも最後まで書く。実質何を応えているのかを、確定させる。
2. その応えを、ちゃんと期待させるように書き直す。
3. 出来るのなら、最初の期待に応えるレベルの後半に書き直してもよい。
4. さらに、期待のハードルも上げ、応えのレベルも上げられそうなら、両方書き直す。
期待と応えは、ペアになっている。
その係りと結び、伏線と解消を、
きちんとコントロールすればいいだけのことだ。
答えは何か。
その答えを期待させる序盤を作るだけでよいのに、
ついつい、
ハッタリを効かせたり、
答えもないのに期待させたり、
自分に無茶ぶりになって自爆したり、
竜頭蛇尾になるのである。
序盤が重要なのではない。
重要なのは結論だ。
それが曖昧だから、
あなたは期待させるのが下手で、
しかも期待を下回る出来のものしか作れないのだ。
2016年03月27日
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