2016年03月27日

期待を下回るな

物凄く難しいことを言ってみる。

期待させたら、それを下回る上がりをしてはならない。


たとえば冒頭のワクワクが、本編で尻すぼみになること。
たとえば期待させるキャラが活躍しないこと(出落ち)。
たとえばとんでもない謎で引っ張って、いざ明かされたらガッカリなこと。

そういう詐欺にあなたは観客として、
結構引っ掛かって来ただろう。
その時の失望や怒りや、ある種の諦めを、
忘れてはならない。
それは、あなたの作品でやってはならない。

小さいときに教えられたでしょ?
自分がやられて嫌なことを、他人にしちゃいけないって。


期待を下回るのは、作家として一番やってはいけないことだ。

期待に応えること、
期待を読みきること、
その期待を期待以上で返すことが、
あなたの仕事である。

さて、その期待はどうやって作られる?
序盤である。あるいは作品がはじまる前だ。


序盤で、この先こういう感じのことが待っているだろうと、
期待が起こるはずである。

あなたは、うまく期待させ、うまく期待に応えなければならない。



さて、それが出来ないのには、
以下の原因があるだろう。

1. 出来もしないハッタリで、期待させすぎている。
2. なんとか応えようとしたのだが、思ったより下回った話で終わった。

対策はこうだ。

1. 少なくとも最後まで書く。実質何を応えているのかを、確定させる。
2. その応えを、ちゃんと期待させるように書き直す。
3. 出来るのなら、最初の期待に応えるレベルの後半に書き直してもよい。
4. さらに、期待のハードルも上げ、応えのレベルも上げられそうなら、両方書き直す。

期待と応えは、ペアになっている。
その係りと結び、伏線と解消を、
きちんとコントロールすればいいだけのことだ。

答えは何か。
その答えを期待させる序盤を作るだけでよいのに、
ついつい、
ハッタリを効かせたり、
答えもないのに期待させたり、
自分に無茶ぶりになって自爆したり、
竜頭蛇尾になるのである。

序盤が重要なのではない。
重要なのは結論だ。

それが曖昧だから、
あなたは期待させるのが下手で、
しかも期待を下回る出来のものしか作れないのだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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