妻のサブプロット、と当初は思っていたものの、
どうやら家族の再生を中心に据えるなら、
メインプロットを裏から見たもの、ぐらいの重要性になります。
何故妻は離婚しようとしたのか?
何故妻は離婚をやめたのか?
ここに納得のいく理由が必要です。
勿論、理由だけ作ってもダメで、
それが面白いドラマにならなくてはなりません。
面白いドラマかあ、と妄想していて、
「実は妻は元ドライバーの彼女だったのだが、
最終的に主人公と結婚した」なんてドラマを思いつきました。
事故を起こしたドライバーは、その後どうしてるかな、
と妄想してみたからです。
事故の場面しか出てこないし、現在に再登場するとしたら、
と考えてみました。
元彼とやり直そうとして、彼の元へ息子と行った、
(実家に行ったという設定をやめて)
ということにすれば、
主人公の心がざわざわするかなあと。
ざわざわすれば、ドラマになる心の幅を作れるかなあと。
面白そうだけど、
過去話が増えるのは得策ではありません。
物語は現在にこそ存在し、過去にはありません。
最も面白いことは過去ではなく、現在であるべきです。
バックストーリーのほうが面白いのは、
ドラマとして三流です。
(例:うんこ実写ガッチャマン)
ということで、過去の因縁を現在に持ち込むのは、
事故だけにするとしましょう。
ところで、この事故の原因はなんなのでしょう。
元原稿では描かれていません。
何かをミスった、というぐらいしか分からない。
このミスこそが、妻の離婚の原因と同じになると、構造的にやりやすいですね。
元原稿には、「嘘をついていたこと」とされています。
だけどラリーのコドライバーが、
ラリー中に嘘をつくのはちょっとおかしい。
じゃあたとえば、「事前に何も言わず勝手に決める」という欠点は?
ラリー中に、勝手に事前打ち合わせと違うコース変更をして、
それが元で事故ったと設定し、
それが結婚生活でも、よくあることだったと。
「妻に相談せず、勝手に焼き芋屋になった」ことで、
妻が怒る、という流れなら自然でしょう。
あなたは何でもそうよ!勝手に決めて!
と妻が怒ることが、話の発端に出来そうです。
ということは、中盤で、
勝手に決めることをやめて、「相談する」ことで危機を乗り越える展開が必要になるでしょうね。
雪原コースを勝手に決めず、警察と相談する?
多分ここで、脇役の石焼き芋屋を使うといいかも。
石焼き芋屋からではのアドバイスで、コースが決まり、
相談することの良さを主人公が気づく、といいかも。
ラストは家族の「協力」が必要だと思います。
立てこもり犯を引き付けるのに、
息子や妻が、主人公とアイコンタクトして何かがあるとか。
相談し、協力することが、
主人公の欠点を補って行く。
そのことで、彼が協力することの素晴らしさを学ぶ、
という大筋ならば、
メインプロットもサブプロットも、ご都合主義のない展開に出来そうです。
第一部で、テーマを書くために、ストーリーの構造を作る話をしました。
それを実践でやるとこういう感じです。
家族の協力的な再生がテーマになるわけだから、
その逆、勝手に決めることが、
主人公の欠点(欠落)になるわけです。
それによって過去の因縁が生まれ、
現在のトラブルの端緒になってしまう。
決して一筋縄ではいかない現実のトラブル(離婚危機と立てこもり犯)を、
欠点の克服、つまり「協力」によって乗り越えることで、
全てが解決するようにする。
こういう構造が必要だ、と逆算で作っていく訳です。
実際には、離婚危機と立てこもり犯、
雪原を越えることや立てこもり犯の逮捕、
などの決まったことありきで、
どういう風に理由をうまく作れば話が成立するかを、
糸を縫うように通しているわけですが。
これがリライトではなくオリジナルから作って良ければ、
テーマが協力ならば、
バラバラじゃダメな問題を先に作ることが出来ます。
ストーリーの構造というものは、
このようにテーマによって変えて良いのです。
原作つきの映画化の困難は、
構造を変えると原作とまるで違うものになりやすいことです。
このことについては沢山議論してるので過去記事をどうぞ。
つまり。
テーマは物語の構造から生まれる。
テーマを生むような物語の構造を作る。
これが、実は一番大事なことなのです。
ガラス板渡りを作ってみせたのは、そういうことです。
さてと。もう書けそうかな。
ガワのことも考えなくちゃなあ。
2016年04月07日
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