2016年04月13日

自動詞と他動詞

突然中学英語を思いだそう。
英語には自動詞と他動詞があった。

何故急に英語の話をするかというと、
ハリウッド映画の台本は英語で書かれているからである。

自動詞と他動詞の違いは何?


目的語を持つのが他動詞、持たないのが自動詞だった。

前置詞を伴って、go to schoolとなるgoも、
以下の議論では他動詞扱いする。



映画のト書きは他動詞で書け。
これが結論。



自動詞は、一人称の動詞である。
思う、感じる、判断する、決定する、…だ、などなど。

それは一人称表現であり、
カメラで撮る、他人の、三人称の表現ではない。

他動詞は、三人称の表現だ。
たとえば、「微笑む」は自動詞だが、
「恋人に微笑む」「嫌いな人に微笑む」「(風俗嬢が)客に微笑む」
などと目的語を持つと、それは他動詞になる。


芝居に必要なものは何か?
そう。
目的や。

全ての他動詞には、目的語があるのである。



つまり、英語を母国語とする人種は、
これを無意識にやっている。
他動詞を使うだけで、目的語を伴わねばならず、
つまり三人称で目的のある芝居が書かれるのである。

我々の母国語、日本語はそうではない。
自動詞と他動詞の区別はない。
語順も文型も格文法もない、だらだらな膠着言語である。
(世界に韓国語と日本語しかない文法体系)

だから、一人称と三人称が曖昧になる。
だから、目的が曖昧になる。
そこに、メアリースーがへばりつきやすい。


日本語の近代小説は私小説、すなわち一人称からはじまった。
映画は、英語圏の三人称他動詞からはじまった。

日本語の文章は自他を区別しない、甘えの構造である。
英語の文章は誰かへのプレゼンである。

両者の差を、研究して意識しよう。


結論は簡単だ。

あなたの書く脚本で、
目的語を持つ他動詞を多用せよ。
自動詞を削除せよ。
posted by おおおかとしひこ at 14:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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