突然中学英語を思いだそう。
英語には自動詞と他動詞があった。
何故急に英語の話をするかというと、
ハリウッド映画の台本は英語で書かれているからである。
自動詞と他動詞の違いは何?
目的語を持つのが他動詞、持たないのが自動詞だった。
前置詞を伴って、go to schoolとなるgoも、
以下の議論では他動詞扱いする。
映画のト書きは他動詞で書け。
これが結論。
自動詞は、一人称の動詞である。
思う、感じる、判断する、決定する、…だ、などなど。
それは一人称表現であり、
カメラで撮る、他人の、三人称の表現ではない。
他動詞は、三人称の表現だ。
たとえば、「微笑む」は自動詞だが、
「恋人に微笑む」「嫌いな人に微笑む」「(風俗嬢が)客に微笑む」
などと目的語を持つと、それは他動詞になる。
芝居に必要なものは何か?
そう。
目的や。
全ての他動詞には、目的語があるのである。
つまり、英語を母国語とする人種は、
これを無意識にやっている。
他動詞を使うだけで、目的語を伴わねばならず、
つまり三人称で目的のある芝居が書かれるのである。
我々の母国語、日本語はそうではない。
自動詞と他動詞の区別はない。
語順も文型も格文法もない、だらだらな膠着言語である。
(世界に韓国語と日本語しかない文法体系)
だから、一人称と三人称が曖昧になる。
だから、目的が曖昧になる。
そこに、メアリースーがへばりつきやすい。
日本語の近代小説は私小説、すなわち一人称からはじまった。
映画は、英語圏の三人称他動詞からはじまった。
日本語の文章は自他を区別しない、甘えの構造である。
英語の文章は誰かへのプレゼンである。
両者の差を、研究して意識しよう。
結論は簡単だ。
あなたの書く脚本で、
目的語を持つ他動詞を多用せよ。
自動詞を削除せよ。
2016年04月13日
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