2016年04月19日

誰と誰がどう出会って何をするのか

ものすごく乱暴に言うと、
ストーリーってのはこれを作るといい。


恋でもいい。
一番会いたくない奴と出会う話でもいい。
第一印象とのちの印象が真逆でもいい。
何人と出会ってもいい。
敵でも味方でもどっちでもなくてもいい。
協力的でも反発的でもいい。

会うは別れのはじめだ。
その人とどう別れるか。
死別か。
袂を分かつ決定的亀裂か。
じゃまた明日、と単に分かれるのか。
環境が変わるのか。
あるいは、もう別れない、と終わるのか。

どんな人と出会い、どう別れるか。
それは人生そのものでもあるよね。

人の意志(自分から、他人によって)か、偶然で出会う。
人の意志(自分から、他人によって)か、偶然で別れる。
再会したり、再び別れたり。

その中でも、
目的を持って会ったり別れたりすることが、
一番ストーリーに関係する。

ただの出会いと別れでは、単なる記録だ。
「目的を持った行動」という文脈の中での、出会いと別れが、
ストーリーに関係する。

誰と誰が、何を目的で、どう出会い、何をするのか。
その結果、どうなり、
次に誰と出会ったり別れたりして、
当初の目的はどうなっていき、
最終的にどうなるのか。
それがストーリーというものだ。


香盤表と業界でいうものがある。
出番表のことだ。
(香盤は、もともと歌舞伎の言葉、もとを辿ると香道)

縦軸にシーンNo.、
横軸に登場人物一覧(脚本の2ページ目)を並べ、
その人の出番の所に○をつけただけの表である。
(縦軸と横軸は逆のこともある)

キャスト(とそのマネージャー)は、香盤表を見ながら、
どのシーンに出てそこはいつの撮影日かを見てスケジュールを他の仕事と調整し、
チーフ助監督は、香盤表を見ながら、
各キャストのスケジュールを縫って撮影スケジュールを立て、
衣装部は、香盤表を見ながら、本日用意する衣装を確認し、
監督は、香盤表を見ながら、今日の撮影の芝居とこれまでの芝居のことについて考える。
各スタッフは、香盤表を見ながら、機材や人員の準備スケジュールを組む。


脚本家から見た香盤表は、
各キャラクターの、出会いと別れの時系列の表である。

それぞれのペアが、
初めて出会う所はどこか。
別れる所はどこか。また会うと思ってるか永遠の別れか。
人為的か偶然か。
その時の、それぞれの目的は。
そして何をするのか。
その結果は。

それらを俯瞰して書き込んでみても面白いかも知れないね。



私たちは、誰かと出会い、別れる。
それが人生だ。

そして、物語とは人生を描き、語るものである。
posted by おおおかとしひこ at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック