ものすごく乱暴に言うと、
ストーリーってのはこれを作るといい。
恋でもいい。
一番会いたくない奴と出会う話でもいい。
第一印象とのちの印象が真逆でもいい。
何人と出会ってもいい。
敵でも味方でもどっちでもなくてもいい。
協力的でも反発的でもいい。
会うは別れのはじめだ。
その人とどう別れるか。
死別か。
袂を分かつ決定的亀裂か。
じゃまた明日、と単に分かれるのか。
環境が変わるのか。
あるいは、もう別れない、と終わるのか。
どんな人と出会い、どう別れるか。
それは人生そのものでもあるよね。
人の意志(自分から、他人によって)か、偶然で出会う。
人の意志(自分から、他人によって)か、偶然で別れる。
再会したり、再び別れたり。
その中でも、
目的を持って会ったり別れたりすることが、
一番ストーリーに関係する。
ただの出会いと別れでは、単なる記録だ。
「目的を持った行動」という文脈の中での、出会いと別れが、
ストーリーに関係する。
誰と誰が、何を目的で、どう出会い、何をするのか。
その結果、どうなり、
次に誰と出会ったり別れたりして、
当初の目的はどうなっていき、
最終的にどうなるのか。
それがストーリーというものだ。
香盤表と業界でいうものがある。
出番表のことだ。
(香盤は、もともと歌舞伎の言葉、もとを辿ると香道)
縦軸にシーンNo.、
横軸に登場人物一覧(脚本の2ページ目)を並べ、
その人の出番の所に○をつけただけの表である。
(縦軸と横軸は逆のこともある)
キャスト(とそのマネージャー)は、香盤表を見ながら、
どのシーンに出てそこはいつの撮影日かを見てスケジュールを他の仕事と調整し、
チーフ助監督は、香盤表を見ながら、
各キャストのスケジュールを縫って撮影スケジュールを立て、
衣装部は、香盤表を見ながら、本日用意する衣装を確認し、
監督は、香盤表を見ながら、今日の撮影の芝居とこれまでの芝居のことについて考える。
各スタッフは、香盤表を見ながら、機材や人員の準備スケジュールを組む。
脚本家から見た香盤表は、
各キャラクターの、出会いと別れの時系列の表である。
それぞれのペアが、
初めて出会う所はどこか。
別れる所はどこか。また会うと思ってるか永遠の別れか。
人為的か偶然か。
その時の、それぞれの目的は。
そして何をするのか。
その結果は。
それらを俯瞰して書き込んでみても面白いかも知れないね。
私たちは、誰かと出会い、別れる。
それが人生だ。
そして、物語とは人生を描き、語るものである。
2016年04月19日
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