その話の中で、一番必死な人は誰だろう。
一番緊急な人は誰だろう。
一番必死にならざるを得ない事情は、何だろう。
それがその話を決めると、僕は思う。
それは主人公でなくてもいいかも知れない。
バルタン星人の地球侵略のほうが、
地球人の過剰防衛よりも切実で必死だった。
だから我々はあのエピソードを忘れられない。
元宇宙飛行士ジャミラの必死さのほうが、
科特隊の地球防衛の必死さより、必死だった。
だから我々はあのエピソードを忘れられない。
勿論、主人公が一番必死でもいい。
ロッキーは、自分を否定する全てを跳ね返すだけの、
自信を証明するのに必死だった。
何故その人は必死なのか?
その事情はどういうことか?
(何故必死で、何が目的か?)
何故そこまで必死なのか?
(簡単なのは、締め切りをつくること)
その人がまず話を立ち上げて、
他の人が反発したり同調したりすることで、
話は渦を巻いて行く。
連続殺人事件を起こす必死な犯人。
侵略を撃退しないと占領され皆殺しにされる地球人。
人間でないものに変わり、人間の為に闘う男。
死ぬほどの行為をされ、復讐の為に闘う男。
後悔を繰り返さないために、闘う男。
惚れた女のために、闘う男。
世界征服に、必死な組織。
今日もどこかの物語で、
必死な人が必死に何かをしている。
その必死さが、物語である。
それがどうなったか、
その結末になんの意味があったのかが、物語である。
あなたの物語の登場人物の誰が、
一番必死か?
その必死さの必死ぶりが、物語の基調を決めるだろう。
誰もやる気のない、適当にこなしたり、
ナルシズムで動く話は、だるくて詰まらない。
人を引き付けるのは、必死の緊張感である。
2016年04月22日
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