ずっと見てきて、
ラスト(付近)にタイトルの意味がようやく分かる、
というパターンがある。
個人的には好きだが、
宜しくないと思う。
見てない人と話を共有出来ないからだ。
たとえば「ゼログラビティ」でも議論したが、
原題「グラビティ」は、
重力と人生の重荷をかけた言葉である。
それに抵抗することがテーマ(落ち)であるから、
この原題は、「見た人」に対してしかアピールしないと考える。
この深みを伝えることは、
未見の人には伝えられない。
ネタバレになるからである。
ということで、
「無重力での大冒険ですよ」ということを伝える、
ゼログラビティという邦題は、
未見の人を対象にするには悪くないタイトルだ。
(もっといい邦題はあり得ると思う)
本質を伝えるタイトルは、避けたほうがいいと思う。
本質を匂わせるタイトルは、素敵だと思う。
ということで、僕はグラビティという原題にそもそも賛成していない。
「重力への帰還」などに意訳したほうが良かったのではないかなあ。
タイトルは伏線か。
良い伏線とは、
Aと思わせて実は伏線だったと分かるものだ。
未見の人にはAが面白そうと思わせておいて、
なおかつ本質への伏線でなければならないと考える。
だからタイトルは難しい。
2016年05月04日
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