2016年05月04日

タイトルは伏線か

ずっと見てきて、
ラスト(付近)にタイトルの意味がようやく分かる、
というパターンがある。

個人的には好きだが、
宜しくないと思う。

見てない人と話を共有出来ないからだ。


たとえば「ゼログラビティ」でも議論したが、
原題「グラビティ」は、
重力と人生の重荷をかけた言葉である。
それに抵抗することがテーマ(落ち)であるから、
この原題は、「見た人」に対してしかアピールしないと考える。

この深みを伝えることは、
未見の人には伝えられない。
ネタバレになるからである。

ということで、
「無重力での大冒険ですよ」ということを伝える、
ゼログラビティという邦題は、
未見の人を対象にするには悪くないタイトルだ。
(もっといい邦題はあり得ると思う)


本質を伝えるタイトルは、避けたほうがいいと思う。
本質を匂わせるタイトルは、素敵だと思う。

ということで、僕はグラビティという原題にそもそも賛成していない。

「重力への帰還」などに意訳したほうが良かったのではないかなあ。


タイトルは伏線か。
良い伏線とは、
Aと思わせて実は伏線だったと分かるものだ。

未見の人にはAが面白そうと思わせておいて、
なおかつ本質への伏線でなければならないと考える。


だからタイトルは難しい。
posted by おおおかとしひこ at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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