2016年05月15日

ショートストーリーの作り方3

ストーリーの種を沢山撒いたファームから、
いくつかモノになりそうなのが出てきたら、
プロットの形に起こしてみる。

そのピックアップの基準は、
冒頭と落ちが決まっていることである。


落ちの決まっていないものを、いくらプロットで練っても、
いいものは出来ない。
偶然出来ることもあるけど、確率的に低い。

冒頭の面白そうな事件と、
主な登場人物と、
落ち。

これが確定していることが、プロットへ移行する為の条件と思ってよい。

これは結局何を確定させているかというと、
「この話が存在している意味」なのである。

こういう事件がこういう顛末を迎えた、
ということは、どういう意味を示すのか。
それは、あなたがストーリーから何を読めるかという読解力に比例する。

たとえば、
人に親切にしたら周りも親切になり、世界が良くなったのなら、
「人に親切にすることは良いことだし、意味がある」になるし、
人に親切にしたらつけこまれて、最後に殺されたら、
「親切なんてするもんじゃない。世界は残酷だ」になるだろう。

残酷な世界で親切などないときに、
親切をして、最初はバカ扱いされるが、
最後には親切が帰ってくる話なら、
「世界は残酷だが、理解する人はどこかにいる」という意味になるだろう。

題材の料理の仕方、落ちで、ストーリーの意味は決まるのである。


例は単純化したけど、
今僕が書いてるショートストーリーの例を示そう。

1. パラレルワールドの自分と出会い、
自分より成功している彼と入れ替わろうとするが、
途中で自分の世界に戻り、責任を取ることで成功しようと決意する。

これは、「自分で責任を取ることが、結局自分の成功なのだ」
ということを意味している話だ。

2. お互いに好きな女の特徴を言い合うのだが、
全く違うところを言う。
話を詰めていくと、なんと同じ女に惚れていたことがわかる。
お前どこみてんだよ!とお互いを罵っておしまい。

これは、「人は人によって見てるところが違うし、
違うところを誉める奴を見る目がないと罵るものだ」という、
皮肉な意味を示している。


こういうのは、落ちが決まっていなければ、
意味も確定しない。

プロット段階に進むときは、
「こういう意味の確定している話を、ふくらまそう」
と思ってまな板に乗せるのである。


上の例だと、
パラレルワールドの自分との出会い方を面白くしたり、
相手のパラレルワールドに行ったら、
第三のパラレルワールドの自分に出会うなんて展開を用意した。

二個目は、
一人がおっぱいフェチ、一人が脚フェチだということにして、
なるべく女の別々のところを見ているように対比させ、
ディテールを詰めていった。


これらを、白紙一枚に手書きでメモ状態で書いていく。
上の方に冒頭のメモ、下の方に落ちのメモ。
あとは展開のアイデアや、脱線ぶりや、
追加アイデアや削除などを、フリーレイアウトでぐりぐりやる。
上の展開例は、そういう風にして作ったのである。

これは、落ちが決まっているから出来ることだ。
1の展開は、最終的に自分の世界に戻り、
自分の世界に責任を持つことが分かっているからこそ、
第三の可能性の自分に出会うという展開が思いつける。

2のフェチも、落ちが決まっているからこそ、
なるべく分かりやすい対立項にするべきだと判断できる。

いわば、落ちへの逆算で一番面白くしていくのである。


このプロットがすべてだ。
自分用だから、文章に整理しなくてもいい。

あとは、最初に決めた意味になるように、
執筆をすればおしまいである。



このやり方は、ショートストーリーだけでなく、
長編にも応用できるだろうか?
出来ると思う。

事件の規模がもっと大きく、深く、
関わる人が多く、
落ちが決まり、どういう意味か確定していれば、
それを面白く組んでいく、
という規模が大きくなるだけだと、
僕は考えている。

その例を示したいが、未発表なのでまた今度。
posted by おおおかとしひこ at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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