シーンはどう書きゃいいんだ?
シーンというのは、
ストーリーの区切り単位のひとつだ。
たいてい場所単位で話は区切られるから、
シーンという。
シーンの頭は、
前のシーンのおさらいとか、
前のシーンであったことを受けて、とか、
前のシーンを何かしら引っ張るところから始める。
それに対して、
誰かが何かを言う。
どう思うか、何を感じるか、何をすべきか。
で、何かやろうと思ったら、
やればいい。
その結果が同じシーンで分かる場合もあるし、
次のシーンで分かる場合もあるし、
何シーンか先かの場合もある。
で、次の場所へ行く必要がなければ、
その場所で話を続ければいいし、
次の場所へ行く「必要があれば」、次の場所へ行く。
つまり次のシーンになる。
わざわざ「必要があれば」と強調したのは、
次の場所へ行く必然性がストーリーには必要だ、
ということを言おうとしている。
何故シーンが次に行くのか、
あなたが答えられるばかりでなく、
観客が理解している必要がある。
勿論、観客の度肝を抜くという例外もあるけど、
殆どの場合、
たとえば、「あの人に話を聞きに行かなければ」と終われば、
その人のいる場所が次のシーンである、
などのような、因果関係を持つ必要がある。
因果関係を持って次に行くこと。
それがストーリーが進むということだ。
バラバラのシーンの集合は、ストーリーではない。
繋がりの一本の糸、因果関係こそがストーリーである。
度肝を抜くことは誰でも出来る。
我々は次への因果関係でヒキをつくり、
次のシーンでその答えを出し、
そして次への因果関係でヒキをつくる。
それを続けていくことが、
ストーリーを作るということだ。
ちなみに、
話題ひとつだと人は飽きちゃうので、
大抵は同時進行する複数の話題がある。
(恋も仕事も、とか)
その話題ひとつの単位を、
ストーリーラインという。
ひとつのストーリーラインと別のストーリーラインは、
別々の場所で進んでいてもよいし、
同じ場所で進んでいてもよい。
前者の場合なら、
ストーリーラインAのあるシーンが終わったら、
ストーリーラインBの続きのシーンになるかも知れないし、
Aの続きのシーンになるかも知れない。
これは、作者が選んでよい。
選定の基準は、「面白いほう」でよい。
複数のストーリーラインが同じ場所で進むとき、
たとえば「付き合ってる彼氏が、取引先として商談の場に出てきた」
などの場合、
複数のストーリーを同時に進め、
ヒキを作って終わったら、
次のシーンをどのストーリーラインの場所ではじめてもよい。
選定の基準は、「面白いほう」だ。
(上の例なら、
次のシーンは、彼氏に電話したり会うシーンか、
商談の帰り道部長と話してるシーンの、
二つあり得るということ)
ストーリーラインはひとつでないことが多いので、
次のシーンはなんであるかの正解はない。
この選択こそ、
作者のストーリーテリングの上手さが出る部分だ。
(たとえば結果を物凄く見たくさせておいて、
中々結果のシーンに行かずに、ヤキモキさせたり、
まだ結果は先の方だろうと思わせて、
いきなり度肝を抜いたりね。
伏せたり暴露したり、が肝になる。
何故なら、ストーリーとは情報の伝達だからである)
あとはこの繰り返しでしかない。
複数の雪だるまを転がしていけば、
面白くなるだろう。
それをどう落ちをつけるか考えておかないと、
未完になるので注意されたい。
で、結局全体の見取り図が欲しいなあ、
とそろそろ思い出すと思う。
全体の見取り図が、プロットと言われるものである。
プロットについては、過去記事検索でよろしい。
シーンの繰り返し。
前のシーンのおさらい(省略可)、
今この場で思うこととすること、
次のシーンへ行く必然性。
ストーリーを語るということは、
物理的にはたったこれだけのシステムだ。
にも関わらず、世間に幾億ものストーリーがあるのは、
ひとえに題材と展開と長さと落ちの違いでしかないのである。
2016年05月17日
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