2016年05月17日

で、結局何を書けばいいんだ?2

シーンはどう書きゃいいんだ?


シーンというのは、
ストーリーの区切り単位のひとつだ。
たいてい場所単位で話は区切られるから、
シーンという。

シーンの頭は、
前のシーンのおさらいとか、
前のシーンであったことを受けて、とか、
前のシーンを何かしら引っ張るところから始める。

それに対して、
誰かが何かを言う。
どう思うか、何を感じるか、何をすべきか。
で、何かやろうと思ったら、
やればいい。

その結果が同じシーンで分かる場合もあるし、
次のシーンで分かる場合もあるし、
何シーンか先かの場合もある。

で、次の場所へ行く必要がなければ、
その場所で話を続ければいいし、
次の場所へ行く「必要があれば」、次の場所へ行く。
つまり次のシーンになる。

わざわざ「必要があれば」と強調したのは、
次の場所へ行く必然性がストーリーには必要だ、
ということを言おうとしている。


何故シーンが次に行くのか、
あなたが答えられるばかりでなく、
観客が理解している必要がある。
勿論、観客の度肝を抜くという例外もあるけど、
殆どの場合、
たとえば、「あの人に話を聞きに行かなければ」と終われば、
その人のいる場所が次のシーンである、
などのような、因果関係を持つ必要がある。

因果関係を持って次に行くこと。
それがストーリーが進むということだ。

バラバラのシーンの集合は、ストーリーではない。
繋がりの一本の糸、因果関係こそがストーリーである。


度肝を抜くことは誰でも出来る。
我々は次への因果関係でヒキをつくり、
次のシーンでその答えを出し、
そして次への因果関係でヒキをつくる。

それを続けていくことが、
ストーリーを作るということだ。


ちなみに、
話題ひとつだと人は飽きちゃうので、
大抵は同時進行する複数の話題がある。
(恋も仕事も、とか)
その話題ひとつの単位を、
ストーリーラインという。

ひとつのストーリーラインと別のストーリーラインは、
別々の場所で進んでいてもよいし、
同じ場所で進んでいてもよい。

前者の場合なら、
ストーリーラインAのあるシーンが終わったら、
ストーリーラインBの続きのシーンになるかも知れないし、
Aの続きのシーンになるかも知れない。
これは、作者が選んでよい。
選定の基準は、「面白いほう」でよい。

複数のストーリーラインが同じ場所で進むとき、
たとえば「付き合ってる彼氏が、取引先として商談の場に出てきた」
などの場合、
複数のストーリーを同時に進め、
ヒキを作って終わったら、
次のシーンをどのストーリーラインの場所ではじめてもよい。
選定の基準は、「面白いほう」だ。
(上の例なら、
次のシーンは、彼氏に電話したり会うシーンか、
商談の帰り道部長と話してるシーンの、
二つあり得るということ)

ストーリーラインはひとつでないことが多いので、
次のシーンはなんであるかの正解はない。
この選択こそ、
作者のストーリーテリングの上手さが出る部分だ。
(たとえば結果を物凄く見たくさせておいて、
中々結果のシーンに行かずに、ヤキモキさせたり、
まだ結果は先の方だろうと思わせて、
いきなり度肝を抜いたりね。
伏せたり暴露したり、が肝になる。
何故なら、ストーリーとは情報の伝達だからである)


あとはこの繰り返しでしかない。

複数の雪だるまを転がしていけば、
面白くなるだろう。

それをどう落ちをつけるか考えておかないと、
未完になるので注意されたい。



で、結局全体の見取り図が欲しいなあ、
とそろそろ思い出すと思う。

全体の見取り図が、プロットと言われるものである。
プロットについては、過去記事検索でよろしい。


シーンの繰り返し。

前のシーンのおさらい(省略可)、
今この場で思うこととすること、
次のシーンへ行く必然性。

ストーリーを語るということは、
物理的にはたったこれだけのシステムだ。

にも関わらず、世間に幾億ものストーリーがあるのは、
ひとえに題材と展開と長さと落ちの違いでしかないのである。
posted by おおおかとしひこ at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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