まとめに入ろう。
話を書くことは、話をすることと殆ど同じだ。
出力先が手か、口か、
聞き手がいない状態で書くか、聞き手のいる状態で言うか、
の違いでしかない。
聞き手がいるときのように、
紙に書けるようにならないと、
いつまでたっても話は上手くならない。
(そもそもあなたは、人に面白いストーリーを語ることが上手いだろうか?
あなたの創作でなく、人の作ったフィクションのあらすじを語ったり、
先日あった面白いことを、上手に語れるか?)
語っている時は、
何を考えながら語る?
今語っているシーンが持ってるか持ってないか、
次のシーンのこともなんとなく想像しながら、
登場人物たちの気持ちを語ったり、
危機や謎を語ったり、
コメディリリーフで肩の力を一旦抜いたりしながら、
ストーリーの雪だるまを転がして行く。
ストーリーラインは一本ではなく、
その時あっちはどうだろうとか、
複数のストーリーラインが一堂に会したりもする。
そもそもこの話はどこへ向かっていこうとしているのか、
落ち(ラスト)をイメージしつつも、
それが悟られないように話を転がす。
明後日の方向に暴走し始めたら、
それはそれで楽しみつつも、
こっそり軌道修正もするだろう。
勿論、あとで使うシーンの伏線の材料も置いておきたいし、
以前のシーンで使えるものは再利用するだろう。
全体がひとつのテーマに基づいて、
ひとつの基調をなしていると安心する。
それを手がかりに新たなストーリーラインの芽を思いつくこともあるだろう。
持たなくなってきたら新展開も考えなければ。
現場目線で書くとしても、
これぐらいのことは同時に考えながら、
語らなければならない。
ナチュラルに同時に出来て、
なおかつ面白い話が最後まで書けちゃう人は、
才能なので突っ走れ。
大概どこかでつまづいて、
挫折したり行き止まりにはまっているものだ。
ストーリーの背骨は何か?
このストーリーのテーマは何か?
なぜそれを書くのか?
ストーリーの全体の構造の、今どのへんか?
どうなればラストか?
などの上のレベルの視点と、
この人の今の気持ちは?
何故その人はそれをするのか?
他の選択肢ではなくこれをする理由は?
かつて何があるのか?
これから何が目的なのか?
それぞれの事情や立場。
隠すことと見せること。
などの現場レベルの視点と、
同時に持ちながら進めるべきである。
あなたの行き詰まりは、
大抵これらのうちの何かが不明瞭だからだと思う。
話に詰まるときはどういうとき?
この先何を話すか考えてなかったときだよね。
そういうときは、話しながら次を思いついて、
そっちに飛びうつるよね。
その飛びうつりが、常にスリリングで、
まるで計画してなかったようなのだが、
実は計画通りなのが、
一番面白いよね。
実はこの8本のシリーズは、
「中川いさみのマンガ家再入門」に影響を受けて、
書いてみたものだ。
みんな現場レベルの目線なのが面白かったので、
俯瞰視点との行き来のことを書いてみた。
独特の天才に聞いても無駄で、
実際のところは技術が確かな人に学ぶのが良いのだろうが、
マンガ連載上は天才に聞く方が盛り上がるだろう。
ということで、とても技術的に感性で書いてみた。
2016年05月20日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック