2016年05月20日

で、結局何を書けばいいんだ?8

まとめに入ろう。

話を書くことは、話をすることと殆ど同じだ。
出力先が手か、口か、
聞き手がいない状態で書くか、聞き手のいる状態で言うか、
の違いでしかない。

聞き手がいるときのように、
紙に書けるようにならないと、
いつまでたっても話は上手くならない。
(そもそもあなたは、人に面白いストーリーを語ることが上手いだろうか?
あなたの創作でなく、人の作ったフィクションのあらすじを語ったり、
先日あった面白いことを、上手に語れるか?)


語っている時は、
何を考えながら語る?

今語っているシーンが持ってるか持ってないか、
次のシーンのこともなんとなく想像しながら、
登場人物たちの気持ちを語ったり、
危機や謎を語ったり、
コメディリリーフで肩の力を一旦抜いたりしながら、
ストーリーの雪だるまを転がして行く。

ストーリーラインは一本ではなく、
その時あっちはどうだろうとか、
複数のストーリーラインが一堂に会したりもする。

そもそもこの話はどこへ向かっていこうとしているのか、
落ち(ラスト)をイメージしつつも、
それが悟られないように話を転がす。

明後日の方向に暴走し始めたら、
それはそれで楽しみつつも、
こっそり軌道修正もするだろう。

勿論、あとで使うシーンの伏線の材料も置いておきたいし、
以前のシーンで使えるものは再利用するだろう。

全体がひとつのテーマに基づいて、
ひとつの基調をなしていると安心する。
それを手がかりに新たなストーリーラインの芽を思いつくこともあるだろう。

持たなくなってきたら新展開も考えなければ。



現場目線で書くとしても、
これぐらいのことは同時に考えながら、
語らなければならない。

ナチュラルに同時に出来て、
なおかつ面白い話が最後まで書けちゃう人は、
才能なので突っ走れ。

大概どこかでつまづいて、
挫折したり行き止まりにはまっているものだ。



ストーリーの背骨は何か?
このストーリーのテーマは何か?
なぜそれを書くのか?
ストーリーの全体の構造の、今どのへんか?
どうなればラストか?

などの上のレベルの視点と、

この人の今の気持ちは?
何故その人はそれをするのか?
他の選択肢ではなくこれをする理由は?
かつて何があるのか?
これから何が目的なのか?
それぞれの事情や立場。
隠すことと見せること。

などの現場レベルの視点と、
同時に持ちながら進めるべきである。

あなたの行き詰まりは、
大抵これらのうちの何かが不明瞭だからだと思う。



話に詰まるときはどういうとき?

この先何を話すか考えてなかったときだよね。
そういうときは、話しながら次を思いついて、
そっちに飛びうつるよね。
その飛びうつりが、常にスリリングで、
まるで計画してなかったようなのだが、
実は計画通りなのが、
一番面白いよね。



実はこの8本のシリーズは、
「中川いさみのマンガ家再入門」に影響を受けて、
書いてみたものだ。
みんな現場レベルの目線なのが面白かったので、
俯瞰視点との行き来のことを書いてみた。
独特の天才に聞いても無駄で、
実際のところは技術が確かな人に学ぶのが良いのだろうが、
マンガ連載上は天才に聞く方が盛り上がるだろう。

ということで、とても技術的に感性で書いてみた。
posted by おおおかとしひこ at 13:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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