山さん、僕に連絡がないのですが…。
ということはおいといて、
昔「シャカリキ!」を実写化したい、
と企画を出した者として、
考えうる問題点をさらっておこう。
このハードルをクリアしないと、
おそらく成功しない、
最大の問題点は何か?
勝手に各回30分とすると、
「レースシーンを各回5分とか3分以内にしなければならない。
つまり残り25分から27分は、ドラマパート」
という制限があることである。
レースシーンはすなわちアクションシーンのことである。
ちょっと考えれば分かるが、
走る自転車を撮るためには、
カメラカーによる並走撮影をしなければならない。
(今なら自撮り棒をくくりつけるやり方もあるだろうか。
だとすると客観並走視点は、自転車に乗せた自撮り棒カメラか。
しかしこの絵の切り返しは15分も持たないだろう)
また手間的に面倒なのは、
走りながらの台詞劇にする場合、
台詞を録音するのは難しい(カメラカーのエンジン音が入る)
から、全てアフレコになることで、
臨場感が失われることである。
これらをクリアして、
「ほとんどの時間レースをしている漫画」を、
その通りに実写化するには、
技術的困難(正確に言うと、予算的困難。
機材費ではなく、手間がかかる故の拘束人件費)
が立ちはだかる。
それにそのまま挑むことは、恐らくないだろう。
舞台版では、ハンドルだけ持って足踏みすることで、
「レース場面の尺を伸ばす」画期的工夫をした。
アニメ版では、アップを使えば自転車作画は不要なので、
コスト的にはレースシーンのほうが楽かもだ。
そのような技は、実写にはない。
ということで、
「殆どの尺をドラマパートにする」
ことが即ち実写化ということなのである。
これは「風魔の小次郎」というバトル漫画を、
ドラマ化したときと同じ制約構造である。
ということで、
ドラマパートの脚本の出来に、
実写版の出来は左右されるのである。
常々言っているが、
仮に派手なバトルがじゃんけんになった
(つまり何らかの決定が下されるというストーリー上の機能、
ということにおいては、
脚本的にはバトルとじゃんけんは等価だ)
としても、面白い話を作らなければならない。
ドラマ風魔は、そのつもりで作った。
(結果的に、アクション班とCG班の頑張りも功を奏した。
危険なのは、アクションはいいのにストーリーが詰まらない、
ドラマ版キューティーハニーのようになることだ)
さあ見物だ。
面白いドラマパートのストーリーを、
上手く作れるのだろうか?
腐女子ビジネスだと割り切れば、
イケメン男子のわらわらが描かれて、
ドラマでも何でもないものに仕上がるだろう。
(逆に萌豚ビジネスと割り切った、
AKBの女子がわらわらしてるだけの、
どうでもいいドラマ未満のものは、
大量生産されては消えていったよね?)
ちゃんとしたドラマを作らねば、
と志の高いスタッフ達がいることを願う。
(僕の予測に反して、
殆どのことが自転車の上で起こるドラマになるのなら、
僕はひっくり返って拍手する)
2016年05月26日
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