何度か書いている話題だけど、
まとめておく。
「人気原作の実写化じゃない限り、
制作費を集められなくなったから」だ。
昔:
面白い脚本書いた→すばらしい、映画をつくろう
→公開、絶賛
途中:
映画産業が回るほど、いい脚本が足りない
→原作買ってくる!
(メジャーをぱくるのはカッコ悪いから、
マイナーで面白げなやつに、
色々膨らませて面白くしたろ!)
今:
映画産業を回すために、資金を集めなきゃ
→資金の集まる原作を確保
→それが諸条件に収まるように脚本化
→寒くて爆死
今の問題の根本は、
「資金を集めるためには、
人気原作を選ばなくてはならない」だ。
何故自社資金を調達できないのか、
僕は映画会社の人間じゃないから分からない。
メーカーって、
製品開発を銀行から融資されてやるんだっけ。
それとも自社の利益を研究費に回すんだっけ。
いずれにせよ、今の日本映画界は、
自社の利益を研究費に回せない、
自転車操業に入ってることはたしからしい。
若いストーリーテラーも育たない。
人気原作を、
既に決まったキャストと、
予算の上限にはめ直す仕事がメインだからだ。
ゼロから企画を立ち上げ、
ストーリーラインを鍛え、
軽妙酒脱な会話を鍛えるなんてのは、
今、どこの大手映画会社もやってないだろうね。
脚本力は落ちて当然だろ。
磨いてる現場がないんだもの。
生まれたての実力で、わたってるだけだもの。
創作には膨大な手間隙と、それを待つリスクがあり、
完成しても殆どは詰まらない。
ハズレのリスクは、ツタヤに行けばわかるだろ?
映画ってのは、10本に1本当たりがありゃ幸運な世界なんだ。
若い人は、勝手には育たない。
今の日本はそういう国になってしまった。
何故邦画の脚本力は落ちたのか?
脚本ありきではなく、資金集めありきになったから。
「商売が出来る」と確信する基準が、
「話が良かったから」ではなく、
「お金を集められて回収できそうだから」になったから。
だから僕はネットの片隅で、
若い脚本家を育てようとしている。
育たないリスクのほうが大きいよ。もちろんね。
2016年05月30日
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