最近ラーメンズの戯曲集を手に入れて、
一気読みをしている。
あれ?リアルタイムの時ほど面白くないぞ?
何故だ?
ラーメンズって、何が面白かったんだ?
IQが高いからではないか、
と、僕は思っていた。
言葉によって不条理や異化をする、
先入観をひっくり返す面白さがラーメンズの本質ではないかと。
ところが、今読み返すと、さほどのことでもなかった。
(当時にしては凄かった、という可能性もまだある)
なんでだろう。
で、まさかと思った。
ビジュアルの異質さだ。
黒バックや白バック、白黒の衣装など、
ラーメンズは小劇場の演劇的だった。
片桐の変キャラと、小林のちょっとイケメンのビジュアル派だった。
実は、そのガワ(サブカルっぽさ)だけが受けたのか?
確かに、爆笑オンエアバトルでは、
他のお笑いと全く異質な世界観で勝負していた。
まさかの、ガワ?
時代は異なるが、バカリズムの、
世界を言葉で異化するネタは、ラーメンズより上だと思う。
ところがラーメンズほど受けないのは、
内容ではなく、バカリズムのビジュアルがラーメンズに劣るからではないか?
まさか。
内容の差を、ビジュアルの差以上に区別できない、
バカな人々が、ラーメンズを評価しているのだろうか?
知性ある人よ。
ラーメンズが何故面白いか(面白かったか)、
解説出来ないだろうか?
「小林賢太郎戯曲集」(1-4)を読む限り、
このシナリオは、大して面白くない。
最高傑作の一本とされる「採集」も、
伏線の収束具合はむしろ普通の映画より甘かった。
(卓球の所やラップの部分も伏線になるべきだ。
そうでなければ無駄な部分としてカットが妥当。
シナリオならばね)
「お笑いと演劇とストーリーテリングと、
サブカル的スタイリッシュさと、
IQ高い系(不条理や逆転や異化を、言葉でやる)の、
全ての中間地点という、ラーメンズというジャンルを作ったから」
以外の、ラーメンズの良さが俺にはわからなくなってしまった。
中間地点といえば聞こえはいいが、
その全てにおいて突出し得ていない、という揶揄もそこに含まれる。
「ラーメンズ空間」という空間の創作が、
ラーメンズの良さ、というトートロジー以外に、
僕はラーメンズを誉めようがない。
困った。
ラーメンズブームは、ガワブームだったのだろうか。
あの時新しかったような気がしたんだけどなあ。
(実は僕は今二人芝居を沢山書いていて、
ラーメンズには叶わないかも、と昔から恐れていて、
今実際の戯曲集を見て、あれ?と肩透かしを食らっているところなのだ)
ひとつ新しく気づいたのは、
中身の違いが分からない人は、ガワで判断してしまうということ。
これまでは、そんなバカにならずに、ちゃんと本質を見極めよう、
ということを考えていたのだが、
ガワぐらいしか違いが分からないのなら、
ガワが負けてるだけなのではないか?
ということに思いが至った次第だ。
つまり、ガワを互角にしちまえば、
中身で圧倒出来るという勝負の仕方に気づいた、ということ。
2016年05月31日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック