観客の、
自分の思考速度よりちょっぴり速く展開すると、
「すげえ!予測がつかなくてハラハラする!」ってなる。
自分の思考速度と同じくらいだと、
「な?こうなると思ってたんだ!」ってなる。
自分の思考速度より遅いと、
「読めてるし、たるい」ってなる。
あなたの物語は、どのような速度か。
自分の思考速度は、人より速いか遅いかは、
自覚しておいたほうがよい。
人の思考速度を、何となく分かっておいたほうがよい。
どんでん返しや衝撃的展開や、度肝を抜く展開は、
実は、観客の思考速度より速く展開させれば作れる。
与える情報を制限して展開のスピードをあげればよい。
ところが、これだけやってると飽きてくる。
「置いてかれた」とか「なんか何やってるか分かんない」とかで。
観客の思考速度と同じぐらい、遅いのも含めて、
観客の思考速度と、適度なデッドヒートをするとよい。
ストーリーテリングは、
観客の思考速度とのレースである。
レースというより、セッションだ。
ダンスといってもよい。
演劇なら、リアルな観客を目の前にするから、
アドリブで展開のテンポを変えられるが、
映画ではそうはいかない。
(小説や漫画では、読み手側でスピード調節が可能)
脚本とは、その思考速度のダンスをも、
しなければならない。
上手な台本は、そのように書かれている。
殆どの人が「テンポがいい」と思うように書かれている。
テンポとは、一定のリズムを刻むことではない。
それらの緩急で、観客の思考速度とダンスをすることだ。
初心者のストーリーテラーは、
自分の話をするので精一杯だろう。
中級者のストーリーテラーは、
相手の顔を見ながらなら調節出来るだろう。
上級者は、観客を想定しながら、
自動調節出来るというものだ。
脚本が特に難しいジャンルなのは、
このことがあるからかも知れない。
観客の思考速度を計ること?
沢山の名作に触れることでしか、体感出来ないと思う。
(その意味で、思考速度の遅い人は、
脚本家に向かないのではないかと思う。
本人と書くものが別物になっていれば問題ないが)
2016年06月02日
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