という検索ワードで来た人がいたので、議論してみよう。
色々あると思うけど、
一個だけ外してはいけない大事な事をあげると、
「それぞれに目的を設定しておくこと」
ではないだろうか。
目的のない会話は、ただのおしゃべりであり、
それは物語ではない。
どこへでも向かい、目的地がないからである。
物語とは、結論へ向かう、方向性のある時間軸のことである。
男女の会話劇だとしても、
男の目的が「口説くこと」、
女の目的が「口説かれてるふりをして金を引き出すこと」
だとすれば、
それはおしゃべりではなく会話劇になる。
どちらかの目的が果たされればハッピーエンド、
どの目的も果たされなければバッドエンドだ。
小さな目的でもいい。
男の目的が「会話の中で一回手を繋ぐこと」、
女の目的が「スイーツを食べること」、
だとすれば、双方の目的が同時に果たされるハッピーエンドにすることも可能だし、
双方の目的が果たされそうになったら邪魔が入る、
というシステムで話を転がすことも出来る。
目的は最初からあったほうが、
話をシンプルにしやすい。
途中で目的が変わってもいい。
たとえば、最初の目的が「彼女を口説く」で、
状況に応じて「キスする」「手を繋ぐ」「頭をポンポンする」
「家を突き止める」「せめて匂いを嗅ぐ」などに変わっていってもいい。
目的の消失で終わってもいい。
(「もういいよブス!」って負け惜しみで終わるとか)
ただ、最初に目的がないと、話のはじめようがない。
「暇だなあ。することがないや」
から始めたとしても、「面白いことを見つけたい」という目的の、
会話劇を作ることが出来るだろう。
それがどんな会話であれ、
会話劇とは劇だ。
ということは、
登場人物に目的があり、それが実現するか否かが焦点になり、
その実現または非実現の決定という結末がなければならない。
で、劇であるからには、
登場人物の目的と矛盾する目的の人が出てきて、
衝突や齟齬を起こし、
どちらかの目的を果たすように、
二人(以上)がなんとか工夫しなければならない(コンフリクト)。
前記事の、ディベートのエクササイズは、
まさにそれの練習法のひとつである。
さて、
会話劇のもうひとつのコツは、
会話上手になることだ。
これは実際、才能がいる。
軽妙酒脱な言い回しやジョークを挟んだり、
オシャレに言ったり、
下品さが面白かったり、
パッと意外な事を言ったり、
上手いこと言ったり、
言葉のチョイスが斬新だったり、
蘊蓄が面白かったり、
意外な所の話が繋がってきたり、
ノリが悪くなったらノリを引き戻す技があったり、
何か感心することを言ったり、
などが、
臨機応変で出来なければならない。
それが出来ないなら、会話劇はやめておくことだ。
会話劇は才能勝負だ。
おしゃべり名人でないなら、
会話劇は避けるほうがいいよ。
(リアルでおしゃべりでなくとも、
会話劇のうまい人はいる。それは観察力や再現力に秀でている)
あるいは、朴訥な会話だけで構成する会話劇も、
あるはあるので、それに挑むのも良いかも知れない。
さて、物語には中身とガワがある。
会話劇の場合、
中身は、
双方(または三人以上)の目的が、
どうコンフリクトを起こし、
どう決着がつくかまでの大まかなプロットと、
それが示すテーマのことであり、
ガワは、
洗練された台詞や冗談や伏線などである。
それを区別しながらコントロール出来たら、
会話劇が得意になるだろう。
僕はわりと得意なほうだとは思う。
キャバクラなど、
会話しかしない場所に限定するのも、
会話劇の練習にいいかも知れない。
2016年06月03日
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