僕はいまだにこれが上手くないのだが、
編集段階で、エピソードの順番を入れ換えることが、
まれによくあるらしい。
それは多分、
狙い通りに上手く撮れなかったとか、
狙いより良く撮れてしまったとか、
当初の予定と現実のズレがあることが、
理由にあることが大きいと思う。
プロット段階での狙いと、
執筆の出来は異なる。
もっと盛り上がるつもりだったがそうでもなかったり、
思ったより筆が走った所もある。
なかなか客観的にすぐ判断するのは難しいが、
落ち着いて全体が見える頃になったら、
それらを冷静に判断して、
入れ換えの検討をしてみるといい。
たとえば、
小説「てんぐ探偵」の全文リライトを、
先日ようやく終えたのだが、
どこかに発表しようと考え始めたとき、
順番を入れ換えることを考え始めた。
1話を大天狗との出会い「炎の巨人と黒い闇」(妖怪弱気)から始めず、
心の闇に苦しむ普通の人々の所へ現れる、
天狗面の謎の少年、というのを何話かやってから、
ようやくてんぐ探偵誕生譚にしてもいいかな、
などと考えている。
今のところ、
1. 「お前は誰か」(妖怪誰か)
2. 「11時X分の電車」(妖怪めんくい)
3. 「爆音ギタリスト」(妖怪いい子)
4. 「炎の巨人と黒い闇」(妖怪弱気)
5. 「妬みは天下の回りもの」(妖怪ねたみ)
などのような始め方を考えている。
勿論、入れ換えをしたことで、
矛盾が出たり、それを直すためにリライトをして、
却って悪くなることも、十分あり得る。
(その時はまた、元に戻すか、リライトをさらにスムーズにし直すか、
決めればいいだけのこと)
ものごとの順番というのは、
構成の基本だ。
基準は色々あるけれど、
「世界が広がっていく様が気持ちいいようにする」
「これからを予想するのが面白いようにする」
「テンポが起伏のあるようにする」
「予想を裏切ったり、期待に答えたりの、テンポを配置する」
「似たものが被らないように、なるべく逆を繋いで、
対立的関係で繋いでいく」
「本線と脱線のバランスを考える」
「伏せたり見せたりのバランスを考える」
などがコツだろうね。
これはリライトにも通じることだ。
構成を全体が見えた頃にやり直せるのは、
連載形式ではなく、
一気に作るものの利点だとも言える。
2016年06月05日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック