2016年06月05日

エピソードの順番を入れ換える

僕はいまだにこれが上手くないのだが、
編集段階で、エピソードの順番を入れ換えることが、
まれによくあるらしい。


それは多分、
狙い通りに上手く撮れなかったとか、
狙いより良く撮れてしまったとか、
当初の予定と現実のズレがあることが、
理由にあることが大きいと思う。

プロット段階での狙いと、
執筆の出来は異なる。

もっと盛り上がるつもりだったがそうでもなかったり、
思ったより筆が走った所もある。

なかなか客観的にすぐ判断するのは難しいが、
落ち着いて全体が見える頃になったら、
それらを冷静に判断して、
入れ換えの検討をしてみるといい。


たとえば、
小説「てんぐ探偵」の全文リライトを、
先日ようやく終えたのだが、
どこかに発表しようと考え始めたとき、
順番を入れ換えることを考え始めた。

1話を大天狗との出会い「炎の巨人と黒い闇」(妖怪弱気)から始めず、
心の闇に苦しむ普通の人々の所へ現れる、
天狗面の謎の少年、というのを何話かやってから、
ようやくてんぐ探偵誕生譚にしてもいいかな、
などと考えている。
今のところ、
1. 「お前は誰か」(妖怪誰か)
2. 「11時X分の電車」(妖怪めんくい)
3. 「爆音ギタリスト」(妖怪いい子)
4. 「炎の巨人と黒い闇」(妖怪弱気)
5. 「妬みは天下の回りもの」(妖怪ねたみ)
などのような始め方を考えている。



勿論、入れ換えをしたことで、
矛盾が出たり、それを直すためにリライトをして、
却って悪くなることも、十分あり得る。
(その時はまた、元に戻すか、リライトをさらにスムーズにし直すか、
決めればいいだけのこと)

ものごとの順番というのは、
構成の基本だ。

基準は色々あるけれど、
「世界が広がっていく様が気持ちいいようにする」
「これからを予想するのが面白いようにする」
「テンポが起伏のあるようにする」
「予想を裏切ったり、期待に答えたりの、テンポを配置する」
「似たものが被らないように、なるべく逆を繋いで、
対立的関係で繋いでいく」
「本線と脱線のバランスを考える」
「伏せたり見せたりのバランスを考える」
などがコツだろうね。
これはリライトにも通じることだ。

構成を全体が見えた頃にやり直せるのは、
連載形式ではなく、
一気に作るものの利点だとも言える。
posted by おおおかとしひこ at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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