2016年06月08日

縛りは、利用してはじめて有効

縛りプレイのように、
自分に何かを課して書くことは勉強になる。
これまでも、ワンシチュエーション縛りなどを推奨してきた。

縛りは、制約というマイナスで考えるといいことがない。
それを利用した新しい発明をして、
はじめてプラスに転じることが出来る。


たとえば、
NHKの「娘の出ていった部屋」だけど、
予算のなさを逆に利用している。

娘の出ていった部屋は、荷物が片付いているはずだから、
美術セットを沢山入れずにすむ。
娘の新しい部屋も、引っ越したばかりだから、
段ボールを積むだけでよく、
これまた美術セットを沢山入れずにすむ。

予算がないときは、ワンシチュエーションで考えるのが鉄則だ。
美術セットが一番金がかかるからである。
だけど、ワンシチュエーションの話は限界があるし、
「春から大学生になる」という広告の目的を達成する、
分かりやすい絵が撮れない、と思い、
予算のなさを逆に利用して、
「ふたつの簡素な部屋を使う」というアイデアを思いついた次第だ。

言われてみれば当たり前なのだけど、
ワンシチュエーションで凝り固まった頭では、
決して出来ない発想だ。

頭はこうやって使うものである。



さて、縛りプレイ。

僕は今二人芝居を書いている。

二人しか出ない映像作品ならずいぶんと話が限定されるけど、
二人芝居というカテゴリなら、
三人目がいる体で話を続けることも可能だ。

で、ついこないだ思いついたのが、
「芝居の文法で三人目がいる体で、二人芝居を続けていたのだが、
三人目は実は片方にしか見えていない幽霊であった」
というトリッキーな落ちだ。

芝居の文法を逆に利用してやったわけだ。

「二人しか出ない話」という制約では、
発想にマイナスがかかる。
その中でしか発想しない、詰まらない枠組みに自分を閉じ込めることになる。
それじゃ面白くない。
「三人目もいるという舞台芝居を見せておいて、
実は三人目はいなかった」
と、二人芝居を逆利用することで、
二人芝居形式の凄みを再発見するという構造なのだ。

(ちなみにどこかで発表するかも)



昨今は縛りが多い中でやらなければならない。
だけど、それらをひとつずつ守っていても、
面白いものは作れない。がんじがらめになるからだ。
その縛りを逆利用することだけが、
発想をまるで変えた、面白いものに化ける可能性がある。
posted by おおおかとしひこ at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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