というカッコイイ命名を思いついたので書いておく。
誰でもやることだけど、
新しいことを書こうとするとき、
ブレーンストーミングをやるだろう。
その時アイデアの断片を沢山紙にメモするよね。
羅列や箇条書きというよりは、ランダムに散らばせて。
ホワイトボードでやる人もいるだろう。
僕はA4の白紙を縦使いする。
で、僕はモノになりそうなものを、
その言葉から発展させてストーリーの形にメモしていく。
落ちまで一発で作れることもあれば、
途中で止まる奴もある。
行き詰まったら、
発展させる別のアイデアを狩りにいき、
ひたすらストーリーを考える。
以下繰り返すと、
なんとなくモノになりそうなストーリーが数本出来上がる。
モノになりそうなストーリー、
というのは、あくまで、
「ネタがあり、展開があり、落ちまである」
と三行程度で書けるやつに過ぎない。
それを別紙に、プロットとして一から練る作業を別途にやる。
以前紹介したアイデアの出し方だ。
これがいいのは、
一本ではなく複数本作れることである。
最近、短編15本、というノルマを自分に課して、
やったやり方だ。
連作短編シリーズ「てんぐ探偵」を作ったときのやり方
(このときは思いついた妖怪300個ぐらいを畑に撒いて、
育ってきた50本ぐらいを刈り取り、別紙にプロットとして練り上げた)
だし、
CMを作るときにも使っている。
(CMは、ある商品に対して複数本アイデアをプレゼンするのが常識だ)
僕らにはポピュラーだけど、
このやり方には名前がついていない。
ということで、ショットガンプランティングと名付けてみた。
最終的に一本を作るのなら、
このやり方は効率が悪い。
いっぺんに複数本作るのに、特化したやり方じゃないかな。
連作短編なぞをやる機会はあまりないかも知れないが、
参考になるかと思う。
たとえばブラックジャックなどは、こういう感じで作られたのではないかと想像している。
(伝わる話によると、手塚は毎回三本次の話のプロットを上げていたという。
そのプロットがどれくらいの精度かまでは不明だが、
毎回新作三本でなく、ボツった奴の改良版もあっただろうね)
畑に見立てた白紙に、ランダムに良さげな種を撒き、
うねうね考える栄養を与えると、
勝手に複数のアイデアたちが育っていくイメージ。
完全体になったら刈り取り、個別で育てる。
アイデアのファーム、という見方もあるけど、
最初にランダムに種を撒くことに意を置いてみた。
ブレーンストーミングはただのネタ出しだけど、
これは畑をうろうろしながら、
行けそうなやつは育てて、刈り取り、
刈り取られていない残りを育てながら、
また種を撒く、
という感覚でやるとよい。
無限に種を撒きすぎて、
その畑がいっぱいになったら、
どこかに保存し、
別の白紙に、行けそうな種から撒いて、
新しい畑を耕すといいだろう。
経験則的に、
本命のアイデアが必ずしも一番面白いものになるとは限らない。
意外な所から芽が出て伸びることの方が多い。
勿論最初から本命視されてたものが、
一番王道に成長することもよくある。
それは、たとえば同期で一番誰が出世するかの、
成長レースに似てるかも知れない。
アイデアが思い通りに成長するとは限らないのは、
人の成長と同じだ。
思ったよりボンクラになったり、思ったより伸びたりするものだ。
第一印象と、仕上がりは全然違うのが、
殆どの場合に当てはまる。
ブレスト段階で、大したことない奴でも拾うのは、
それを見越した上での種まきなのである。
本命、対抗、穴といった、バラエティー豊かな作品群が揃う、
効率的な複数のアイデアの育て方、といってもいいかな。
2016年06月12日
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