2016年06月14日

問題解決の大きな2パターン

大昔CMプロダクションに入った頃、
面白いCMには三種類しかない、
という物凄く基本的な話を聞いたことがある。


商品がなくて困った、という話か、
商品があって良かった、という話か、
その他だ。

(先に「その他」の話をしておくと、
連呼ものや、歌ダンスもの、ビジュアルものなどの、
非ストーリーもののこと)

つまり、ざっくり言うとストーリーCMには二つしかない。
バッドエンドで、「商品があったらなあ」と言う落ちか、
ハッピーエンドで、「商品があって良かった」と言う落ちしかないということ。

前者の方が無茶苦茶できる。
たとえばクルマのCMを作るのに、
「海へ行こう」とデートに誘ったが、
何故か徒歩。三時間ぐらい徒歩。
「クルマがあれば…」
という寸法だ。

あとは前半をぶっ飛んだ状況にすればするほど面白くなる。
ないが故にヘンテコになればなるほど、
ギャグのレベルがあがる。


後者は、いい話になる可能性が高い。
それがある幸せとか良さとか、
それが人生に与えたターニングポイントなどを描くと良いだろう。

勿論ギャグも可能で、持てる者と持たざる者を比較しても良いだろう。



物語とは、問題の解決である。

僕は問題と解決のペアに困ったら、
いつも単純なCMのやり方に戻ることにしている。

問題が解決しなくて、
どんどんヘンテコな方向へ行く悲劇(喜劇)と、
問題が解決していく為に必要なアイテム(CMでいう商品に相当)
を並べ、順番にそれがあって良かったという話を作っていくと、
大体なにがしかの物語になってしまうものである。

そこまで大まかな構造さえ出来れば、
あとはディテールを変更したりして、詰めていく。


さらに二分割してみよう。
前半がバッドエンドで後半がハッピーエンド型か、
前半ハッピーエンドで後半がバッドエンド型、
にだ。
さらにバッドエンドとハッピーエンドのビートを細かく刻んでいけば、
予測のつかない展開になっていくだろう。
リズムを変えていけば、見たことのないリズムになるだろう。


問題と解決のペアが思いつかないとき、
このように原点に戻ると、何か思いつくかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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