説得力のアリナシ(多寡)は、
何が決め手になるのだろうか。
実は客観性ではないか、と考えている。
私にとって説得力のあることは、
あなたにとって説得力があるとは限らない。
あなたが自分でどれだけ説得力があると思う話をしても、
誰にも響かない可能性がある。
自分一人で周りが見えていないからだ。
あるいは、各個撃破で口説き落とせる人は、
一般的に説得力がある話をせず、
その人にカスタマイズされた説得をすることが得意だったりする。
営業のコツは人を落とすことであり、
説得を成功させることにはないと考える。
つまり、対個人には強いけどマスではないということだ。
私たちの仕事は、
個人を落とすことではなく、
マスを説得することである。
マスが腑に落ちるかどうかを考える。
コツは、
誰もが自分に置き換えられる話をすることだと思う。
僕が具体例を出すときは、特にそうするように気をつけているつもりである。
(小学校あるあるネタや、下ネタや家族ネタは、
そういう意味で共通性が高いのである)
あなたは、説得が上手か。
説得力のある話を書いているか。
出来てないのなら、客観性が足りない。
マスを相手にしているということを、
今一度思い出すといい。
イメージは簡単だ。
体育館にみんなを集めた全校集会でしゃべるイメージだ。
あなたは、壇上にいながらにして、
聞き手の頭のなかにもいなければならない。
(以下雑談。
先日作ったCMが、昨日クライアント内で試写され、
親会社内でも試写され、無事納品と相成った。
ところがそのプロデューサーが、
「お得意様にOK頂きました」などと連絡してきたのだ。
バカじゃないかと思った。
私たちはたかがお得意様100人を納得させるのではなく、
マス1億人を説得することが仕事である。
OKを出すのは会社ではなく大衆である。
それを基準に監督としてOKを出すのである。
私たちは大衆に向けて作品作りをしている。
お得意様に向けて作ってなどいない。
ここに、昨今の広告づくりの間違いの闇を見るのである。
そのプロデューサーは、お得意様を説得することだけにしか興味がなく、
大衆にとって説得力があるかどうかを心配していないということだ。
代打ちで来たので、今後絡むことはないが、
僕は今後この男を一生信用することはないだろう。
あなたは100人を相手にしているのか?
1億を相手にしているのか?
60億を相手にしているのか?
あるいは、何十年も先、何百億人ぶんを、相手にしているのか?)
2016年06月23日
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