2016年06月28日

映画監督の勉強:編集

映画監督の勉強で、編集が重視されることはあまりない。
いや、わかってる人はちゃんと言うんだけど、
初心者は右から左に抜けていることが殆どだ。

映画監督になるには?
助監督で撮影をマスターする?
脚本を書いて脚本家からデビューする?
それもある。
第三の方法、編集室の魔法を勉強すること。


映画というのは、三つ柱がある。
脚本、撮影、編集だ。

撮影は見た目が派手だから分かりやすい。
脚本も地味だが、イメージは掴める。
ところが編集の魔法だけは、
編集室でないと分からない。

編集のバイトは募集してるのかな。
ちょっと分からないけど、
AVID、ファイナルカット、プレミアあたりがある程度使えるのなら、
編集室でバイトしてみるのはどうだろうか。
アシスタントとして潜り込み、
編集室で一体何が行われているかを見るのは、
映画の勉強に不可欠であると思う。

あるカットを採用するのか捨てるのか、
あるカットの順番を入れ換えること、
間を変えるだけでまるで違うものになること、
構成。

これらのごくごく簡単な基本すら、
編集室の切り貼り→再生のループを見ないと理解出来ないと思う。
(ある程度ファイナルカットやプレミアで、
自主映画を編集した経験のある人なら分かるかも)

僕はいつもAVIDで自分で繋ぐ。
CMもショートフィルムも、一本以外全部自分で繋いできた。
風魔も全部自分繋ぎだ。
映画は規約的に無理だったが、そのうちやりたい。
(自慢しておくと、2004年のACC編集賞受賞)

編集は、構成の魔法である。
省略とタメの魔法である。
独特のリズムである。

これを知らずに撮影したって、映画の八割を分かってないとすら思うよ。


僕は映画をやって初めて知って驚いたのだが、
今の助監督業界では、
撮影現場に参加した作品の編集を見ることは、
殆どないのだそうだ。
ギャラが安いため、次の撮影現場に行かないと食えないからだそうな。

そんなバカな。それじゃ助監督につく意味がない。

撮影したものをどう繋いだらどういうものが出来るのか、
助監督こそ見取り稽古をするべきなのに。
俺なら金払ってでも見たいわい。
今度見所ある助監督で、監督志望がいたら、
バイト代出してでも編集室に貼りつかせようと思う。

ということで、
助監督をやると編集室に行けないジレンマがあるらしいので、
学生のうちに、
編集室でバイトしながら脚本を書く
→助監督をしながら脚本を書く
というのが妥当なコースではないだろうか。

勿論、役者の経験はしといたほうがいいね。
音楽の経験もあるに越したことはない。
あと美術と、ファッションと、人生経験と…
切りがないので、
最低限、編集、撮影、脚本の三つはマスターしたいね。
(マスターの基準が分からない、奥深い世界ではあるけど)

役者出身の監督は、撮影は上手いけど編集が下手。
脚本家出身の監督は、編集は上手いけど撮影が下手。
カメラマン出身の監督は、撮影は上手いけど脚本と編集が下手。

どれか突出するだけじゃだめで、
どれも出来ないと監督としては不出来だろう。


ちなみに、脚本の勉強が一番時間がかかる。
編集や撮影は一年から三年やっときゃ大体は読める。
脚本は十年だろう。人によるけど。

ということで、一番時間がかかる、脚本のことを書いているわけだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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