2016年06月29日

出落ちを防ぐ方法

どうしても出落ちになってしまう時がある。
点で終わってしまうものを、線にする方法。


その目的を作ること。
しかも、出落ちの何かに関連させておくこと。
そうすると線になる。


たとえば、世紀の出落ちキャラ、SW1のダースモールで考えよう。

出落ちのしびれるカッコよさの要素に関係した、
目的を作ればよいのである。
たとえば。

1. 両刃のライトセイバー→複数のライトセイバーを集めて改造する目的がある

2. 赤い顔に入れ墨→実はこれはドゥークーに焼かれた肌であり、
ひそかに復讐の暗殺を企てて今は従うふりをしている

3. すごい体術→かつてクワイガンジンに谷底へ落とされたことがあり、
復讐の為に身に着けたものである

などなどを作ってみれば、
ダースモールのそれまでの台詞や行動が変わるはずである。
死の運命は変わらなかったとしても、
たとえば2を付ければ、悪の帝王に利用された男の悲劇となり、
悪の帝王への憎しみが倍増するような文脈に作り替えることができるだろう。
つまり彼に、ストーリー上の役割が出来るのである。

出落ちで死ぬだけのキャラクターにならないわけだ。


出落ちは、ストーリー上に何の役割も果たしていない、
貢献していないから、なんだかなあになってしまうのである。

メインストーリー進行上、それに関わる何らかの意味があるようになれば、
それはたとえ捨て石であっても出落ちにはならないだろう。

逆に言えば、
目的があることで線が出来、
ストーリー上の役割が出来ることで線が出来るわけである。

出落ちの逆は、「絡むこと」だと言ってもよい。


最近のダメな例でファイアパンチを上げるが、
アグニが出落ちになっているのは、目的はあるが絡みがないからである。
トガタも出落ちになっているのは、目的はあるがメインストーリーと絡みがないからである。
サンもジャックも出落ちだったね。
再登場してもメインストーリーに絡めないだろうから、
何もせず退場するしかないだろうことは予測できる。


点に終わる出落ちキャラは、線をつくろう。
一人では線を作れない。
誰かと絡むことが線を生む。
つまりコンフリクトである。
コンフリクトを生むためには目的が異なることが必要だった。


あなたのキャラクターは何故出落ちになるのか?
おそらく、誰とも絡まず、
誰からも抵抗されたり反発されたり、
説得したりされたり、していないからではないか。
posted by おおおかとしひこ at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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