今、物語の焦点であるコンフリクトに、
他人事でなく興味を持たせること。
よく使われるけど、取り扱い注意なのを思い出したので、
追加しておく。
6. 謎
謎は、
強烈であればあるほど、引っ張る力が強い。
驚きと組み合わせ、一体どういうことなんだ!?
と後に引っ張るのは、常套だとも言える。
特に、連載形式において、
ラストのヒキは、殆どがそうかも知れない。
死ぬのか?生きるのか?つづく!
お前、生きていたのか?(何故?)つづく!
犯人は別の男だ!つづく!
大失敗か?(いや、あの伏線で大成功するはず)つづく!
などなど、いくらでもヒキのパターンはあるだろうが、
殆どは謎をふりまくことで、
次回への興味を持続させる。
謎の危険なところは、
その謎が解かれたとき、
なるほどと膝を打つものでなければならないことである。
強烈なヒキに対して、答えが白けては、なんの意味もないということ。
「なるほど!そういうわけだったのか!」
というものがない限り、謎とその答えのペアは、
成立しない。
逆に、ただ引き付けるためだけに、
謎をふりまくことは可能である。
たとえば「マルホランド・ドライブ」を見てみるとよい。
全編強烈な謎をふりまくポイントだらけだ。
あれは一体なんのことなのか、
あれは一体どういう意味なのか、
意味ありげに出てきたあれの続きはどうなったのか。
全部解明されない、糞映画であることを断っておく。
逆に、気になる謎はどうやって作るかの、
見本市のようになっている、とても変な映画である。
謎をふりまくことは、慣れたら結構出来るかも知れない。
問題は、その謎解きでも面白くすることである。
殆どの人は、その謎解きが上手く出来ないから、
ミステリーを書けないのだと考える。
あっと驚く謎解きなんて、なかなか難しいよね。
さらに一部の人は、
謎をふりまくことで引き付けて、
何も考えてませんでした、と開き直ることもある。
浦沢直樹の漫画は、殆どがそのような気がする。
二十世紀少年なんて、何がなんだか。
連載形式の闇のひとつだと思う。
結論なんてどうでもよくて、
今が面白ければそれでいいだろ?
と言われているような気がする。
実際、最終巻の売り上げよりも、
それまでの売り上げのほうが遥かに大きいだろうから。
あ、ガンツもそうだったね。
あの最終回はひどかった。
ラスト付近で、何もかも謎が解けたら、神漫画だったのになあ。
奥浩哉に求めてもしょうがないんだけど。
連載形式とは違い、
映画脚本というのは、そのネタバラシまで含めて全部である。
コンフリクトに謎をふりまくのは、
勿論謎解きまで考えての上でないと、
必ず竜頭蛇尾になるだろう。
ちなみに僕はこれがあまり得意ではないので、
これ以上解説できないのが残念だ。
なんか謎をふりまくのは、後先考えてないお調子者の特徴にも見えるんだよなあ。
(おっと、「まさか、それは伝説の…」の悪口はそこまでだ)
目的や動機に謎を作っておくと、
どんでん返ししやすい、という経験則だけを書いておく。
2016年07月05日
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