さらに議論を深めよう。
7. 斬新さ
について。
斬新なコンフリクトは、面白い。
正確に言うと、
「聞いたこともないから、新しくて興奮する」
ということに近いか。
しかし、いくら題材やコンフリクトが斬新でも、
実際のところ、
人と人のコンフリクトに帰着することについては、
同じであることを分かっておいたほうがよい。
この場合、人は擬人でもいい
(幽霊や化け物、ロボット、動物など)。
意志疎通が出来ればなんでもいい。
結局、物語は人と人のコンフリクトに帰着する。
(たとえば人対組織という構図だったとしても、
その組織のボスと闘う話になっていくだろう)
どんなに斬新でもだ。
で、人と人の斬新な関わり方というのはそうそうないから、
これまでに知っている人の関わり方をベースに、
斬新要素が足されたものになる。
人間は、全く新しいものは認識できず、
知っているものから理解しようとするからである。
(UFOの目撃談は、まるで○○のようだった、
としか形容されない)
技術革新が、物語に斬新さを持ち込むときはあるだろう。
電気の発明は、
暗がりの文化(たとえば暖炉の火)を絶滅させただろうし、
ケータイの発明は、
待ち合わせの文化を絶滅させた。
エアコンの発明は、日本家屋の構造すら変化させ、
東京は砂漠化を進めている気がする。
(ここ最近の寒暖差はなんだよ)
それらが人間の意識の変革になり、
物語に持ち込まれるのだけど、
結局人と人のコンフリクトに帰着する点では、
実は斬新さは入り口でしかないことを知っておこう。
最近の発明?は不死キャラとすれば、
それはドラキュラとか、火の鳥とか、仏陀と、
同じコンフリクトを抱えることになるだろう。
それは既に中国拳法が三千年前に、大体通過してるのだね。
ということで、入り口が斬新で、
出口は誰かが既にやったことにとても近くなる。
その誰かが既にやったことを、沢山研究するのはよいことだ。
あとは斬新さのガワを被せて、
現代なりにそれらを描けばよいのである。
一番良くないのは、
斬新にしたはいいけど、
そのうち結局ありきたりなコンフリクトになってしまうこと。
それは、事前の練りが足りないと思う。
最初の思いつきだけで走らせてダメになりやすい。
斬新なりを最後まで貫いて、かつ練れていれば、名作になる。
結局、斬新かつ練れていること、という両立がいる。
2016年07月05日
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