2016年07月08日

運動神経と頭のよさの相関

ある程度だけれど、
運動神経のいいやつは、頭の回転もいいみたいだ。

運動神経が悪いとはどういうことか。
実はこれ、上手く話が書けない、
という純粋に頭のことと思われる問題に、酷似している。


運動神経が悪いのは、
「自分の想像している体の動きと、
実際に動いた体の動きが違う」ことらしい。

頭の中ではいい感じのモーションでボールを投げようとしても、
実際のモーションはへたっぴだと言うこと。

これは、ビデオカメラで撮って、その場で再生して、
いかに自分がイメージと違うことをしているかを見ることで、
ある程度改善するらしい。
鏡を見ることでもある程度改善するだろう。

つまり、
イメージ(頭の中で自分はこう動いていると思っていること)と
実体(実際に動いた動き)にギャップがあることが、
運動が出来ないことの原因らしいのだ。


もう殆ど結論は出た。


頭の中で、自分がこう書いたはずだ、と思っていることと、
実際に書かれたものが、
ずいぶん違うことが、
話が書けないことの原因ではないか?

自分では大爆笑だと思っているギャグがダダ滑り。
自分では感動だと思っている話が陳腐。
自分ではリアルだと思っていることが小学生並。
一言で言えば「客観性がない」ということで括られる、
これらのことが、
実際には、あなたのイメージするように書けていない、
ということにあなたは気づいていない可能性がある。


書いた直後にこれを判断することは困難だ。
しかし、
半年前に書いた自分の原稿を見てみれば、
どれだけ当時の自分に客観性がなかったか、
嫌というほど分かることが、まれにしょっちゅうあるのではないか?
中二のノートが黒歴史の理由が、これだ。

ビデオカメラみたいな便利な道具は、
ストーリー書きにはない。

他人に朗読してもらったり、
自分の朗読をビデオに撮るなどのやり方、
名作と比較してみることは、 以前にも書いた。

ただ、身内びいきというか、自分可愛さというか、自己満足というか、
他の作品と比べても遜色ないとか、
思ってしまうことが多いのである。


脚本の場合なら、
役者の肉体を通したときに、役者が修正してくれることもある。
編集で粗を隠す手もある。
客観的になる瞬間が、結構多いのである。
小説はそうもいかないので、大分寝かさないと難しいのではないかなあ。

他人の意見は客観的であるようでいて、
実は主観だったりするので、
参考にしすぎてはいけない。
自分の主観と異なる主観に出会うことで、
ある種の客観性を持てるかも知れないが。



さて、どうすればいいかについて、
今回は即効性ある方法はない。
長い時間かけて、
自分の運動をビデオカメラで見るような経験を積むことだ。

長いことやって来た人は、ある程度それは出来ているし、
始めたばかりの人は、やはり自分が見えていないことが多い。

長いことやって、客観性を確保していくことだ。
(経験上、半年前の原稿なら客観性が保てる。
それぐらい期間をあけて、しかも何本もやらなくちゃいけないから、
それなりに時間がかかるわけである)



自分の思ったように、本当に自分の文は出来たのか?
そんな簡単な自覚すら、難しいことを自覚することだ。

逆に、話の上手い人は、
自分の思ったように言葉を使えて、
自分の思ったように観客が反応し、
正確に予測して正確に実行出来て、
頭の中のイメージと現実の差がない人のことだ。

そうじゃない人をずれてるというのは、
話でも運動でも同じだろう。


これは、ある種の感覚である。
学習して身につけるものである。
(幼少期に運動経験が豊富だと、
頭の中の運動イメージと、実際の体の動きに差がないらしい。
物語については、誰も調査していないけど、
話好きとか書くのが好きで、体験が豊富だと上手いかもだね)
posted by おおおかとしひこ at 01:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大岡様 毎日欠かさず読ませていただいています。度々批評されていたファイアパンチですが、このような記事がありました。http://yaraon-blog.com/archives/87554 (1話の時お前らが話題にしてた漫画『ファイアパンチ』 あまり売れてない模様)悪名あるサイトの記事ですが、具体的にどの程度の売り上げかまで載っていたので、ガセや根拠のない中傷ではないと思いお伝えしました。
Posted by すーざん at 2016年07月08日 01:43
すーざん様コメントありがとうございます。

内容(脚本)と売上げ(商売論)は、100%正比例しません。
その微妙なところが、脚本論が正義になりきれないところです。

ステマでごり押しすれば売れるときは売れる。
公式のコミックス紹介も、ちっとも1巻の内容を示していないログラインで、結構腹が立っていました。

これから売れるかも知れないし、2巻以降が売れるかも知れないし、今後爆発的に面白くなるかも知れないし、
まだ静観しています。
今10万円賭けろと言われればノーヒットに賭けますが。

記事の内容とはあんま関係ないのでこのへんで。
ファイアパンチに関しては全く別のことを考えていて、
纏まったら書きます。
ネットが漫画を良くしているかという論点かな。
Posted by おおおかとしひこ at 2016年07月08日 11:13
最新話読みましたがトガタが主人公みたいになってますね。
いっそのことトガタが主人公の
「文化が途絶えた氷の世界で文化(映画)の再建を図る女の奮闘」
みたいな話にすればよかったのに。
それだとタイトル「ファイアパンチ」じゃなくなりますが 笑
Posted by ジャッキー at 2016年07月08日 13:29
ジャッキー様コメントありがとうございます。

その話だと完全に亜人のサトウと同じになり、
(目的とキャラが違うだけ)ネタ元がバレバレになるでしょう。
また、トガタの上げている映画が、
何故素晴らしいのか、何故守る価値があるかを、
私たちに感情移入させる必要があります。
そこまで出来てはじめて仕切り直しならあり得る。
Posted by おおおかとしひこ at 2016年07月08日 14:08
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック