2016年07月31日

【ジェットさんへの回答箱】

>世界観ってどこからどう作っていけば良いのでしょう。 世界は広いのでどこから手をつけたら良いのか迷ってしまいます。 こういうものを先に作っておくと楽、みたいなものがあれば教えてください。


あなたは、
日本はどうやって出来ているか、説明できますか?
自分の住んでる町がどうやって出来ているか、説明できますか?
自分の家、所属する組織が、どうやって出来ているか、説明できますか?

ついでに世界がどうやって出来ているか、説明できますか?
さらには宇宙がどうやって出来ているか、説明できますか?

その説明の仕方が、
世界観の説明の仕方です。

それと同じように、
架空の世界を説明してみてください。

あなたが世界を説明するのに楽なものから、
作っていけばいいと思います。

リアル世界を説明するとき、
あ、あれも説明しなきゃ、
という要素が、
架空の世界に足りないのなら、
それも架空の世界に足すことです。


あなたは世界をどのように理解しているか?
それは作家そのもののことです。
正解はありません。

ゆでたまご先生は、あのような世界の見方をする作家なわけです。


たとえば「死後の世界設定」は、
各宗教、各民族で異なったりします。
生まれ変わりを信じる民族と、そうでない民族もいる。
天国と地獄設定がある民族と、そうでない民族もいる。
神が唯一なのも、複数いるのもある。
これがあなたにとって大事なことなら、
そこから世界設定をしても構いませんし、
あなたにとって重要でないなら、
そこを設定しなくてもよいかも知れません。


あと、
世界設定なしで、話を書いても構いません。
現代の日本を舞台にすればいいだけのこと。
現代の日本だとしても、
話の都合で、世界設定を微妙に変えることは可能です。
これが分かると、
世界設定に大した意味がないことがわかります。
「そのストーリーの中で矛盾せず、
自然であればどのようなものでもよい」
という原則です。

僕はみなさんが世界設定にこだわる意味が全く分かりません。
世界設定なんかせずに書きはじめて、
必要なときに設定すればいいのです。
書き終えてから矛盾狩りをすればOKです。
完璧で矛盾のない世界を作る必要はありません
(その手間のコストが返ってくるだけのリターンは、
多分ないです)。
「描かれてないことは、この世界とおなじ」
「全く新しいものを人は理解できず、
何かに似ていることで理解するため、
大体似たようなものをだしときゃよい」でOKです。

世界設定をうまくやるには、
世界を設定しようとしないこと、
だと僕は思います。

設定せずに、
まず面白いコンフリクトやシチュエーションや動機ありきです。


あなたにとって、全く新しい世界はどこですか?
そこへ取材にいくとよいでしょう。
何からあなたは世界を理解しますか?


ちなみに僕は、食べ物と季節と地形と言葉と、金の流れかなあ。
posted by おおおかとしひこ at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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