2016年08月06日

民話とか、宗教に時々帰る

と、沢山の発見をすることが多い。
アレのアレは、ここからとっていたのか、
なんてことも良くある。
あの王道展開は、ここが元祖かも知れない、なんてね。


西洋では、それは聖書に求められることが多い。
良くハリウッド映画で、
これは聖書のホニャララなんてエピソードを下敷きにして、
なんて言われるが、
我々にはちんぷんかんぷんだったりする。

逆に日本人しかわからないそういうのは、
たとえば、
「主人公が行く先々で家来(仲間)を増やしていく」
という所かな。
桃太郎だろう、原点はおそらく。
西遊記にも被るところがある。

里見八犬伝から七人の侍から、
風魔の聖剣戦争からキン肉マンからドラクエから、
このプロットは日本人には大人気だ。

「振り返っちゃだめだ、一目散にここを抜けろ」は、
日本神話にも、ギリシャ神話にもあったりする。
ソドムの話もそうだ。
西洋には仮面を被ったり、変身する話がよくある。


ロシアの民話を50数通りに分類したナボコフの研究は、
いまだに物語研究の金字塔だけど、
古事記や日本書紀や日本の民話で、
誰かやってくれないかな、と密かに思っているのだが、
誰もやらないので、
研究してみるのは、悪くないかも知れない。

てんぐ探偵は元々「遠野物語の映画化」
という企画から始まったのだが、換骨奪胎にもほどがあるよね。
でも、遠野物語には「不思議な話」の類型が沢山あって面白いよ。
怪談とかホラーが好きな人は研究するといいかも知れない。


歌舞伎や能や落語や、
平安から続く古典文学やら、
仏教説話やら儒教道徳やら、
日本は物語の歴史がとても長い、世界でも特殊な国だ。
新しい物語に迷ったら、
古典に戻るとヒントがあるかもよ。

古典であればあるほど、私たちの無意識にいるのだから。
posted by おおおかとしひこ at 11:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせていただきます。
日本の伝承文学を物語の理論という形でまとめた人として、大塚英志氏が挙げられると思います。
彼はその理論を物語の創作に応用しようと考えていくつかの本を書いていましたが、もし大岡さんが彼の著作をご存知なら、その試みについてどのようにお考えなのか知りたいです。
私の浅い考えで恐縮ですが、彼の理論は脚本初心者には有用で、大岡さんの脚本論との親和性も高いのではないかと思います。
いつでも構いませんので、回答をいただけたら嬉しいです。
Posted by こんばんは at 2016年08月06日 21:14
ああ、大塚英志、いましたね。
もう20年以上前に、ドラゴンボールと貴種流離譚を絡めて書いてるやつは、読んだことがあります。

その後チェックしてないのですが、どうやら物語論を続けているらしいことは風の噂程度には。
初心者に有用、とあらば、興味が湧いてきたので、
ちょっと手を出してみようかな。
(僕の書いてることは初心者向けというより、
経験者向けみたいな感じだし)

ということで、読んだら何か書くかも。
Posted by おおおかとしひこ at 2016年08月06日 23:19
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