大昔見たので全く覚えていなかった、
「ミッドナイト・ラン」を改めて見た。
いやあ傑作だ。
小道具の使い方がめちゃくちゃ上手い。
伏線と小道具をここまで上手く使いこなしてる映画は、
最近ないんじゃないか?
以下、未見の人にネタバレしないように書く。
サングラス、古い腕時計、
飛行機恐怖症、フロッピーディスク、
偽20ドル札、紙袋の食料と牛乳、
そもそも偽FBI身分証。
あとポラロイドカメラとか、手錠とか鍵とかも。
小道具は伏線に使いやすい。
Aに使っておいて、
Bに使うときに、ワンカットで済むからだ。
このスピード感が、あっと言わせる間を生む。
ラストの名台詞も、
見事に前の文脈とは違う文脈として使っていて、
ああ上手いなあと、感動しながら思った。
俺が見たのは多分日曜洋画劇場の吹き替え版だと思われる。
DVD未収録で、吹き替え映画の最高峰と言われるらしい。
ううむ、そっちも気になってきた。
ケータイもスマホも監視カメラもない時代の、
大雑把な感じがとても懐かしい。
80年代ってこうだったよなあ。
見ながら、ああ、三幕構造がしっかりしていて、
分かりやすいなあと感じた。
時計は見てないけど、体感で1:2:1の構成にしていた。
とにもかくにも名ラストだ。
こういう粋な話を自分が書くとしたら、
と彼我の差を感じる傑作である。
アメリカはこれもコメディにジャンルわけするらしい。
バックトゥザフューチャーも、ゴースト〜ニューヨークの幻も。
アメリカのコメディは奥が深い。
2016年08月14日
この記事へのトラックバック
「ノッキンオンザヘヴンズドア」が、
ドイツのオッサン二人の話から男女の逃避行に、
改変リメイクされていて、分かってねえなあと思ったものです。
「売れると思うものを売るのではなく、
買いたいと思うものを売れ」と申します。
魂の入ったものをちゃんと売る力が、今の興行体制にあるのかなあ、と疑問です。
マスコミの体制も含めて。