2016年09月04日

連鎖を紡いでいく方法

いいことの直後に悪いことが起こり、
悪いことの直後にいいことが起こるといい。


つまりは起伏である。

いいことと悪いことの基準は、
善悪とかじゃなくて、
「目的に対して近づくこと」がいいことで、
「目的に対して遠ざかること」が悪いことだ。
グッドニュースとバッドニュース、
成功と失敗、
展開と挫折、
順調な滑り出しと悪化、
などなどである。

もちろん、
観客が、その目的を明らかに知っていて、
かつ、感情移入していることが前提だ。

その目的が遂げられるか(センタークエスチョン)を、
最終的には確かめたくて(関心、共感)、
しかもそれを我が事のように感じている(感情移入、共感)。

そうでなければこの起伏は効果がない。
十分な一幕が出来ていればこそ、
その目的への旅(二幕)で、揺さぶりをかけるのである。


もちろん、主人公だけにフォーカスせずに、
複数のサブプロットを走らせるべきである。
その絡みが話を面白くするからである。
(面白くしないのならそのサブプロットは不要)

主人公の目的だけでなく、
他の登場人物の目的を明らかにしたり、
そこに感情移入したり、
その目的への旅が、
いいことのあとに悪いことが起きたり、
悪いことのあとにいいことが起きたりするといい。

あることが、主人公にとってはいいことだが、
同伴者や敵にとっては悪いことだったりもするし、
その逆もあるだろう。
そうやって、観客の感情や関心を揺さぶっていくのだ。
「この話の結末は?」と。

もっと細かく観客の関心を書けば、
「主人公の目的は果たされるのか?(センタークエスチョン)」、
かつ「○○の目的は果たされるのか?」
かつ「△△の目的は果たされたくない」
かつ…
などだろう。
これらを一緒くたにして、「この話の結末は?」と、
ハラハラして見ているわけである。

起伏の他に緩急も必要だろう。
緊張があれば弛緩も必要だ。弛緩の次は緊張が来るだろう。
メインプロットとサブプロットの進行。
これらを使い分けて、連鎖を紡いでいく。


二幕を書ききることは難しい。
しかし結局は、「主人公の目的は果たされるのか?」
に集約する。
その軸足を見失わないようにしながら、
沢山の要素をさばく力が必要だ。
posted by おおおかとしひこ at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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