濁流論、調子にのってもっと掘ってみる。
三幕構成を濁流側から見てみよう。
一幕は、まだ濁流じゃない。
それは水源地のようなものだ。
清流が穏やかに流れているのみだ。
ところが嵐がやってくる。
増水し、流れは早くなり、だんだんと水は濁っている。
どんどん支流が合流してくる。
そのたびに濁流は濁流になってゆく。
明確なカーブがある。
ここから濁流、ここまではまだ日常だった川。
そこが第一ターニングポイントだ。
二幕は、濁流が暴れる。
せっかく濁流になったので、
流れは停滞するべきではない。
ジェットコースターのように、曲がり、うねり、
非日常の危険を味わえなくては、
濁流ツアーの意味がない。
これは他人が濁流で溺れる様を、
絶対安全圏から見る見世物である。
濁流は、危ないほど面白い。
所々堤防が決壊してもいい。
とにかく濁流の行く先に飽きさせないことだ。
飽きさせないためには、一端池にたまり、
休む場も必要かも知れない。
とにかく濁流の始まりから二幕終わりまでは、
全体の半分以上の濁流ツアーが行われるのだ。
飽きさせないように、常に濁流に揉まれる感じを書こう。
分流したり合流したり、
滝になってたりショートカットしたり。
岩場もあればアップダウンもあるだろう。
平凡な予想の斜め上の濁流ツアーが待っているのだ。
さて、濁流の先はどうなってる?
今までで一番デカイ滝だ。
そこが第二ターニングポイントだろうね。
三幕は、クライマックスの滝である。
覚悟して飛ぶしかない。
見事に着地出来たらハッピーエンドだ。
おだやかな大河になり、いずれ海に出る。
もう濁流はないだろう。
その落差こそが、落ちに結びつくのである。
あなたは濁流の制御者である。
危険で、流れの速い、先の見えないものを制御して、
寸止めにし続け、クライマックスでマックスの落差を飛ぶ。
それが面白いストーリーだ。
勿論濁流ツアーは例えばなしなのだが、
そういえば川下りがメインの、
ワンシチュエーションラブストーリー(つまりボートという密室)に、
「アフリカの女王」がある。オススメです。
(相変わらず邦題が悪くて誰も見ない名作。
原題The African Queenはそのボートの名。
アフリカも女王も関係ない話である。
俺が担当者なら「沈め、アフリカの女王」「川下りの果てに」
などにアレンジするだろう)
2016年09月10日
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