2016年09月18日

キャッチコピー4

そうそう、優秀なキャッチコピーは、
しばしばその商品名よりも記憶に残る。


そもそも売りたい人がいて、
こういう特徴があり、
それが売りだと信じている。

しかし優秀なコピーライターは、
それをそのまま世間に出しても、
無視されることを知っている。

何故なら、世間の人だからである。
世間の人の視点があるのなら、
それが世の中に出ようと出るまいと、
どうでもいいと思っている筈だ。
むしろややこしくなるし、出なくていいよとすら、
思っているかも知れない。

そんな所に認められるためには、
新しい価値を示す必要がある。

全く斬新なことを示すのが理想だが、
そんなものは10年に一回くらいなので、
そうではないところから示す。
「聞いたことがあるかも知れないが、忘れていた領域」からである。
昔聞いたかも知れないけど最近聞かないこと、
そうかも知れないけどまだ主流になっていないこと、
誰もがそう思うけど、見逃していること。
そういう領域から、
価値を示す一文を持ってくる。

勿論その価値は、その売りたいものの、
本質であり、しかも別の視点から見たものである。

だからキャッチコピーは機能する。


人々の求める新しい価値と、
売りたいものの、ちょうど中間点に位置すること。

それが代理人としての仕事の理想だ。


わざと代理、と書いた。
僕が会社に入った頃、広告代理店とは、そのような代理をすると教わったからである。
企業の代理でもあり、視聴者の代理でもあると。
最近そんなきちんとした代理人には全然あってないし、
広告がそうなってるとも思ってないけどね。



あなたは、その新しい価値をどう表現する?
それが実は、作品のテーマなんだぜ。


キャッチコピーは、時に商品名より記憶に残る。
当然だ。
人々にとっては、名前より価値のほうが重要だからだ。
posted by おおおかとしひこ at 16:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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