そうそう、優秀なキャッチコピーは、
しばしばその商品名よりも記憶に残る。
そもそも売りたい人がいて、
こういう特徴があり、
それが売りだと信じている。
しかし優秀なコピーライターは、
それをそのまま世間に出しても、
無視されることを知っている。
何故なら、世間の人だからである。
世間の人の視点があるのなら、
それが世の中に出ようと出るまいと、
どうでもいいと思っている筈だ。
むしろややこしくなるし、出なくていいよとすら、
思っているかも知れない。
そんな所に認められるためには、
新しい価値を示す必要がある。
全く斬新なことを示すのが理想だが、
そんなものは10年に一回くらいなので、
そうではないところから示す。
「聞いたことがあるかも知れないが、忘れていた領域」からである。
昔聞いたかも知れないけど最近聞かないこと、
そうかも知れないけどまだ主流になっていないこと、
誰もがそう思うけど、見逃していること。
そういう領域から、
価値を示す一文を持ってくる。
勿論その価値は、その売りたいものの、
本質であり、しかも別の視点から見たものである。
だからキャッチコピーは機能する。
人々の求める新しい価値と、
売りたいものの、ちょうど中間点に位置すること。
それが代理人としての仕事の理想だ。
わざと代理、と書いた。
僕が会社に入った頃、広告代理店とは、そのような代理をすると教わったからである。
企業の代理でもあり、視聴者の代理でもあると。
最近そんなきちんとした代理人には全然あってないし、
広告がそうなってるとも思ってないけどね。
あなたは、その新しい価値をどう表現する?
それが実は、作品のテーマなんだぜ。
キャッチコピーは、時に商品名より記憶に残る。
当然だ。
人々にとっては、名前より価値のほうが重要だからだ。
2016年09月18日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック