2016年09月24日

バッドエンドを練習しよう2

バッドエンドを書けるようになると、
ハッピーエンドを書いているときでも、
ヒヤリとさせられるのである。


観客は敏感だ。
ハッピーエンドを信じていても、
バッドエンドの香りを感じれば、
まさかバッドエンドでは、と怯え、構えることが出来る。

つまりは、揺さぶりだ。
どうせハッピーエンドでしょ、と思っていては面白くない。
まさかバッドエンドか、いや、ハッピーエンドであってほしい、
と思わせないと、ハッピーエンドに喜べないのである。

簡単な方法は、途中で誰かを殺すことだ。
ここは安心できないぞと思わせるのに、
サバイバルを付すことは、分かりやすいやり方だ。
(それゆえに平凡なやり方だ)


また、世界は完全でないから、
あまりにハッピーエンドが馬鹿馬鹿しいときは、
ビターエンドに軟着陸させる手もあるので、
ハッピーエンドとバッドエンドの落差を知ることは、
「どういう風にも世界を転がせられる」というコントロール能力を鍛えるのにいい。

バッドエンドを書くときも同じくである。
一回救いを予感させてから叩き落とすといい。

揺さぶりや起伏は、
そうやってつくる。

どちらにもなりうる。
だから先が分からなくて面白い。
人生と同じである。
posted by おおおかとしひこ at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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