バッドエンドを書けるようになると、
ハッピーエンドを書いているときでも、
ヒヤリとさせられるのである。
観客は敏感だ。
ハッピーエンドを信じていても、
バッドエンドの香りを感じれば、
まさかバッドエンドでは、と怯え、構えることが出来る。
つまりは、揺さぶりだ。
どうせハッピーエンドでしょ、と思っていては面白くない。
まさかバッドエンドか、いや、ハッピーエンドであってほしい、
と思わせないと、ハッピーエンドに喜べないのである。
簡単な方法は、途中で誰かを殺すことだ。
ここは安心できないぞと思わせるのに、
サバイバルを付すことは、分かりやすいやり方だ。
(それゆえに平凡なやり方だ)
また、世界は完全でないから、
あまりにハッピーエンドが馬鹿馬鹿しいときは、
ビターエンドに軟着陸させる手もあるので、
ハッピーエンドとバッドエンドの落差を知ることは、
「どういう風にも世界を転がせられる」というコントロール能力を鍛えるのにいい。
バッドエンドを書くときも同じくである。
一回救いを予感させてから叩き落とすといい。
揺さぶりや起伏は、
そうやってつくる。
どちらにもなりうる。
だから先が分からなくて面白い。
人生と同じである。
2016年09月24日
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