今新作を練っている。こないだ長野に取材に行ったやつだ。
なかなかいいプロットが出来たので、
そのやり方を記録しておく。
僕が毎回こうやるとは限らないし、
こうやるとうまくいく保証もない。
ただ今回はうまくいった、というだけだ。
しかしリアルなそれは参考になると思った次第。
大まかに言うとこう。
0. 大元のアイデアは10年くらい前で、暖めていた。
1. ペラ一枚に、ランダムで手書きメモ。40枚ぐらい。
2. 取材メモ。30枚ぐらい。
3. 仮にプロットを組んで一枚絵にする。何バージョンか。
4. 手書きでプロットを書いてみる。細かすぎて途中挫折。
5. 手書きでカード方式でプロットを書く。最後まで書けた。
6. 初の文字うち。
7. それを見ながら直していく。
8. 二回直し、いい感じになってきた。←いまここ
それぞれを解説してみる。
0. 大元のアイデアは10年くらい前で、暖めていた。
自分のひかれた題材があった。
単純にすげえと思って、一幕のプロットを書くまでは出来たけど、
どう展開していいか分からず、凍結しておいた。
1. ペラ一枚に、ランダムで手書きメモ。40枚ぐらい。
一年前くらいから、そうだあれを書きたいと思い出し、
手書きで乱雑にメモをとりはじめる。
舞台はどこか。どんな人物か。
ランダムにエピソードをつくる。
台詞を書いてみる。
名前をつくってみるがしっくりこない。(それは人物像がまだ揺れてるから)
主人公と関係ない人物の創造。
そういえば悪役は何人かありえて、途中で何度か変わっている。
とにかく、思いついたことは何でも書く。
あと、知らない世界の話なので、「調べたいこと」のメモも同時にある。
2と同時平行である。
2. 取材メモ。30枚ぐらい。
とにかく知りたいことは何でも調べ、メモを取る。
メモを取らないとあれなんだっけ、となるので、
あとで詳しく知りたいと思ったことは、キーワードだけでもメモる。
自分の理解が優先なので、写メではなく手書きのメモだ。
理解したことを絵に図解することもある。
作中の人物がそこへ行くことも想像する。
寒いのか。地面はざくざくしてるのか、などの、
触感や肌感を想像したりする。
(実際に長野でそれを触ったらふわふわしてて驚いた)
最初はwikiを見て、知らない単語を調べることから。
動画検索や解説HP、ブログ、ファンブログなどを漁る。
とある人のドキュメンタリーに涙を流す。
類似ジャンルの映画や漫画がなくて困る。
専門用語を知れば知るほど、検索の精度は上がってくる。
システムは分かった。あとは人がこれをどう体験するかだ。
そこにあるドラマツルギー、名も無き人の人生を想像するまで調べる。
実際に取材旅行に行き、肌で感じたことをメモする。
映像や文章で分からなかったことが知れる。
宿の親父が詳しくて、色々話を聞けたことも貴重だった。
実際に見て、ひょっとしたらこうではないかと仮説を立て、
ネットで検索したらそうらしいと知り、
これはまだ誰もメジャーで知らないことだぞ、とほくそえむ。
3. 仮にプロットを組んで一枚絵にする。何バージョンか。
手書きのメモ状態で、一端全体像を見てみる。
ストーリーラインがいくつかあるので、
同時に走らせてみて、どの時点で絡み合うかを考える。
一回忘れた頃また白紙に思いつきながら書いてみて、
何バージョンかつくってみる。
あるものにはあれがあってこれがない、などの、
ランダムなバージョンが出来上がる。
当然これではまだ詰まらなそうなので、
1、2に戻りぐねぐねと考えたり思いついたり、
仮説を立てたり調べたりする。
突然台詞などを道で思いついたらスマホにメモをして、
(メール起動が一番はやく、文字量が確保できる)
あとで手書きメモ群に足しておく。
長野で聞いたヒット曲が参考になるので、
時々聞いて自分を高める。
4. 手書きでプロットを書いてみる。細かすぎて途中挫折。
そろそろ書けそうかなと思い、
ファーストシーンから書いてみる。
でも台詞が多いし、細かすぎる書き方になってしまい、
ミッドポイントあたりで失速。挫折した。
もっと遠くから眺めねば、と、1、2に戻りうだうだ考える。
5. 手書きでカード方式でプロットを書く。最後まで書けた。
ある日、書けそうかなという日がやって来る。
今度はシドフィールド方式でやってみようと思い立つ。
14枚のカードのやり方だ。
僕はさらに簡易的にして、
一幕、二幕前半、二幕後半、三幕を、
箇条書き14行ずつで書く、という方法論である。
(1行に収まらないのも許すが、なるべく簡便にする)
7行が15分に当たるため、7行おきにビッグターニングポイントを置くことを、
僕は注意している。
で、詰まりながらも最後まで書けた。
うれしい。
6. 初の文字うち。
それを単純に文字うちしてみる。
フォーマットは気にせずに、素のレイアウト。
それが面白いのかは問わず、プリントアウトしてから考える。
7. それを見ながら直していく。
手書きは、まだ直せるアイデア。
打ち文字は、確定したもの。
そういう感じがするので、それを利用する。
素組みされたプロットを、手書きで直していく。
入れ替え、削除、追加。
文章を手直し。
アイデアの羅列を、少しずつ魅力的な文にすることもやる。
とにかく一端全体が見えたら、いくらでも部分の修正は自動的に出来るのだ。
この読後感の為には、もっと起伏をつけるべきだとか、
悪意が足りないとか、ここで絶望が欲しいとか。
8. 二回直し、いい感じになってきた。←いまここ
ついでに、ログライン、
キーコンセプト(マイナーなジャンルの驚くべき話。
それが何故面白い話になりそうかという本編との関係)、
センタークエスチョンを整理する。
映像的なおもしろげなアイデアも書いておく。
登場人物一覧も書き、メインと脇を確認する。
最初はメインとなると思っていた人物が脇に過ぎないとわかることもある。
脇だと思っていた人物がメインに昇格することもある。
今回は両方あった。
実はまだ名前が決まってなくて、
ABCD、Aの妻、Cの元カレ、なんて表記をしたままだ。
これから?
そうだなあ。人物の創造かな。
もっとリアリティーのある、生き生きした、キャラのたった人物にしたいね。
目的と行動、感情やリアクション、過去はもう出来ているから、
あとは肉付けの段階だなあ。
最後に名前を決めるかもしれない。
さらに取材を重ね、実際にその世界にいる人に何人か会って、
話のリアリティー精度をあげていく予定である。
で、書けると思う日が来たら、書き始めると思う。
最終的に名作かどうかはおいといて、
現段階ではなかなか面白そうなプロットが出来た。
根元的なテーマもいい。
ここ以上に飛べる、土台が出来たようなものだ。
2016年09月24日
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