2016年09月26日

全然違う所にスタート点をつくる2

業界では、「遠投」なんて呼ばれることがある。
なるべく違う所からスタートして、
最後に目的のテーマに着地する様を言う。


これがうまく行くと、
観客は、
意外な展開に振り回されまくる、ということになる。
最初から思っていたことが必ず裏切られ、
予想もしなかった方向へいくわけだ。
だから面白いのである。
何重にも仕掛ければ、ジェットコースタームービーうけあいである。

最初の一手はなんでもいいので、
興味を引きやすい所から始めること。
前記事の例では「近所で評判の幽霊屋敷に忍び込む」
なんてよくある面白さからスタートさせてみた。
よくあるとは言え鉄板だから、
そこからターニングポイントで全然別の話へいくので、
興味がどんどん深まり、グイグイと来る感じになるわけだ。

これが並の一手からはじまるのであれば、
(たとえばホームランボールがその屋敷へ入って…なんてパターンもあるけど、
前の例ほどワクワクはしない)
並のテンションから始まってしまい、
物語への巻き込みに時間がかかってしまう。
つまり遠投に失敗する。

遠投は、
トップスピードからはじまるような面白い所からスタートさせて、
なおかつ本題と全然違う所からのスタートをするべきである。
だから意外性のあるターニングポイントに興奮するわけで、
そうでもないのなら、それは遠投とは言わず、
ただのフラフラしたストーリーになってしまうだろう。

遠投は豪速球でなければ失速する。
これは覚えておくといい原則だ。
イチローのレーザービームみたいな感じかな。
ストーリーの遠投は、カクカク曲がって届くけど。
posted by おおおかとしひこ at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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