業界では、「遠投」なんて呼ばれることがある。
なるべく違う所からスタートして、
最後に目的のテーマに着地する様を言う。
これがうまく行くと、
観客は、
意外な展開に振り回されまくる、ということになる。
最初から思っていたことが必ず裏切られ、
予想もしなかった方向へいくわけだ。
だから面白いのである。
何重にも仕掛ければ、ジェットコースタームービーうけあいである。
最初の一手はなんでもいいので、
興味を引きやすい所から始めること。
前記事の例では「近所で評判の幽霊屋敷に忍び込む」
なんてよくある面白さからスタートさせてみた。
よくあるとは言え鉄板だから、
そこからターニングポイントで全然別の話へいくので、
興味がどんどん深まり、グイグイと来る感じになるわけだ。
これが並の一手からはじまるのであれば、
(たとえばホームランボールがその屋敷へ入って…なんてパターンもあるけど、
前の例ほどワクワクはしない)
並のテンションから始まってしまい、
物語への巻き込みに時間がかかってしまう。
つまり遠投に失敗する。
遠投は、
トップスピードからはじまるような面白い所からスタートさせて、
なおかつ本題と全然違う所からのスタートをするべきである。
だから意外性のあるターニングポイントに興奮するわけで、
そうでもないのなら、それは遠投とは言わず、
ただのフラフラしたストーリーになってしまうだろう。
遠投は豪速球でなければ失速する。
これは覚えておくといい原則だ。
イチローのレーザービームみたいな感じかな。
ストーリーの遠投は、カクカク曲がって届くけど。
2016年09月26日
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