遠投するときに気をつけることは、
スタート点を最終的においてけぼりにしないことだ。
当然と言えば当然なんだけど、
「最初に気になったことは、ラストに効いてくる」
というのが落ちの構造であったことを忘れてはならない。
なんでもいいから遠い所からはじめて、
それは使い捨てて本編に入り、
本編内で完結してしまうと、
「最初のアレはどこいったんだよ」という不満しか残らない。
それは遠投失敗である。
「伏線未回収」などと批判されることになるだろう。
一端気にさせたことは、最後まで責任を持つこと。
これがストーリーテラーの責任というものだ。
それを忘れさせるのもストーリーテラーの役目
(ターニングポイント後の別の話があまりにも面白くて、
それ以前のことを一瞬忘れる)
だが、
忘れさせておいてのちに、最終的に落ちに絡めるのも、
ストーリーテラーの役目である。
それを、なるべく本題と関係ないところからやることを、
遠投と呼ぶだけだ。
ただ遠い所からはじめて、
ターニングポイントで本題に入り、
最初のヒキの部分を使い捨てることは誰でも出来る。
それは遠投じゃなく、ただの無責任だ。
物語とは、全てのパーツが使い捨てではなく、
有機的な結合をしているから、物語なのである。
ということで、
遠投に挑もう。
ちゃんと落としにいくんだぜ。
遠投は、初心者の頃から練習するべきだ。
話のスケールを大きく出来る。
小さくまとまる奴なんて、上級者でもなんでもないぜ。
2016年09月26日
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