2016年09月26日

全然違う所にスタート点をつくる3

遠投するときに気をつけることは、
スタート点を最終的においてけぼりにしないことだ。


当然と言えば当然なんだけど、
「最初に気になったことは、ラストに効いてくる」
というのが落ちの構造であったことを忘れてはならない。

なんでもいいから遠い所からはじめて、
それは使い捨てて本編に入り、
本編内で完結してしまうと、
「最初のアレはどこいったんだよ」という不満しか残らない。
それは遠投失敗である。
「伏線未回収」などと批判されることになるだろう。

一端気にさせたことは、最後まで責任を持つこと。
これがストーリーテラーの責任というものだ。
それを忘れさせるのもストーリーテラーの役目
(ターニングポイント後の別の話があまりにも面白くて、
それ以前のことを一瞬忘れる)
だが、
忘れさせておいてのちに、最終的に落ちに絡めるのも、
ストーリーテラーの役目である。

それを、なるべく本題と関係ないところからやることを、
遠投と呼ぶだけだ。

ただ遠い所からはじめて、
ターニングポイントで本題に入り、
最初のヒキの部分を使い捨てることは誰でも出来る。

それは遠投じゃなく、ただの無責任だ。

物語とは、全てのパーツが使い捨てではなく、
有機的な結合をしているから、物語なのである。

ということで、
遠投に挑もう。

ちゃんと落としにいくんだぜ。


遠投は、初心者の頃から練習するべきだ。
話のスケールを大きく出来る。
小さくまとまる奴なんて、上級者でもなんでもないぜ。
posted by おおおかとしひこ at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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