>大岡さんはプロットを作る際、まずフィナーレを作り込んで逆算して考えることをオススメしていますが、私の場合ですと物語の真ん中であるミッドポイントを練りこんでから前後を考える、というやり方の方が性に合っているようでした。
僕なりの解釈ですけど、ミッドポイントなるものは、
定義できないと考えています。
そもそも三幕構成理論において、
第一ターニングポイント、第二ターニングポイントと、
ACT 1、2、3の定義はあるものの、
ミッドポイントが何をするのかは、定義されていません。
で、色んな人が色んなミッドポイント論をぶっているのが、
現状というイメージです。
僕の場合、
1. 一幕の問題、三幕の解決の順に考えて
2. ラストにどうなるかを決定し(1、2は逆のことも)
3. 間の二幕を考える
ことが多いです。
二幕は長いので、
絵的な見せ場になる大きな山を真ん中に置くことが多く、
それがミッドポイントになることが多いです。
(イメージは、「ラピュタ」のシータ救出シークエンス、
「ミッションインポッシブル:ゴーストプロトコル」の、
ドバイタワーの一連)
自作だと、
ドラマ「風魔の小次郎」では、壬生の離反と聖剣の登場、
小説「てんぐ探偵」では、26話「遠野SOS」
(十天狗の承認と目標の確認)かな。
映画の尺の場合、
ブレイクシュナイダーの「かりそめの勝利(または敗北)」
がその前後の起伏を決定しやすく、重宝しています。
昨日見た映画「日本のいちばん長い日」(岡本喜八)だと、
「玉音放送収録終わり、長い一日が終わったかに見えた」
がちょうどミッドポイントでした。
山場ではなかったけど、前後編の境目
(前編はポツダム受諾の流れ、後編は若い将校の反乱の流れ)
ではありましたね。
こういうミッドポイントは印象に残りにくいです。
もっとも、ミッドポイントが印象に残らなければならないわけでもない、
と考えます。
あるいは、リライト中に、
別のものがミッドポイントになることもありうるのでは、
と考えています。
第一、第二ターニングポイントは、三幕構成上明確な意味がありますが、
ミッドポイントに明確な意味を感じないので、
編集でもコントロールできるような気がしています。
ミッドポイントは尺上真ん中であるより、
ちょっとあとにある、というのも経験則ですが、
それが内容とどう関係するのか、合理的な説明もつきづらいですねえ。
(過去記事にはいくつか仮説を書いています)
逆に、
「ミッドポイントから前後を割る」のはどういうやり方なのでしょうか。
一、三幕を除いて考える二幕だけなら分りやすいですが、
それとも一、三幕含めて考えるのでしょうか。
2016年10月17日
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