2016年10月26日

ストーリーが書けない人へのTIPS

何日に一回か、必ず「ストーリー 書けない(書き方)」
なんて検索ワードでここにたどり着く人が絶えない。
脚本家を目指す人用に書いているのだが、
世の中は脚本家を目指す人ばかりではないかも知れない。

たとえば。
絵は描けるがストーリーが書けない(漫画家志望)。
キャラ設定やオープニングは書けたが、
そこから何を書いていいか分からない。
ハコ書きとか三幕構成とかは分かったが、
いざ自分でやってみようと思っても思いつかない。
など、
様々なバックグラウンドの人がいそうだ。

そういう人にオススメなのは、
「名作のストーリーを自分で文字起こししてみる」である。


作品はなんでもよく、完結してることを条件にする。

そのストーリーを、文字だけで、
A4一枚に、手書きで書き出してみよ。


必ずA4一枚以内で書くこと。
文字うちだと文字数制限されるが、
手書きだと足りなさそうになってきたら字を小さくして対応出来るので、
アドリブの効く手書きでやるといい。
(これは、「全体にたいして今どのへんを書いているか」
という感覚を鍛える訓練を兼ねている)

台詞は禁止する。
あらすじだけを書くこと。

あらすじとして正しいかどうかは、
友達にでもチェックしてもらえ。

正しいかどうかはおいておいても、
出来上がったそれが、
「自分がその話のストーリーだと思うもの」である。

これをさらに短くして三行にしてみたり、
逆にA4十枚に詳細化してみたり、
400字で書いてみたり、1500字で書いてみたり、
する訓練をしてもよい。

あるいは、名作10本について、
それぞれA4一枚を作ってみるとよい。
色んな作品の分析をすることは、
初心者から中級者にかけては、必ず通る道だ。

あるいは、その作品について、
あなたが魅力を感じた所や夢中になった所が、
その文章の中にあるかどうかをチェックするとよい。
(あなたが夢中になったのは、
キャラやアイテムや設定であって、
ストーリーではない可能性もある。
あるいは何本かストーリー分析をすると、
あなたが毎回反応する好きなパターンがあるかも知れない)


たとえばあなたが漫画家志望で、
絵は描けるがストーリーが書けない人だと想定すると、
絵が(ある程度)描けるようになった経緯を思い出すとよいのだ。

毎日描いてるからだろう。
最初から得意意識があっただろう。
部分に分解したことがあるだろう。
何かの要素を入れ換えて絵を描いた実験もやっただろう。
部分を徹底的に描いたり、全体を意識して部分を省略したことがあるだろう。
苦手なものを描くときは模写しただろう。
憧れの絵を真似したり取り込んだだろう。
逆に、この絵は認めない、というのもあるだろう。

そうやって絵を描いてきたはずだ。
それを、ストーリーについてもやるだけだ。


ストーリーというのは、
音楽に近いものだ。
始めがあり、途中があり、終わりがある。
流れがあり、途切れない一本の線だ。

あなたは、一本の線を書くのである。
あることがあることに影響し、
それがまたあることに影響し、
という雪崩式の連鎖反応の流れを書くのである。

それがどういうものか分からないなら、
模写をするのである。

音楽を始めるときも既存曲を弾けるようになるではないか。
だから、
まず文章でストーリーを模写するのである。

小説家志望のやり方に、全文手書きで書き写す、
写経と呼ばれる鍛え方がある。
(ずぶの初心者がやるより、
自分の文体が固まってきた中級者がやるほうが、
「自分ならこうする」との差を感じながら出来るので、
それを最後までやるのはとてもオススメだ)
勿論これをやってもいいが、初心者は挫折しやすいから、
簡単な「A4一枚の文章」にまとめるやり方が推奨だ。

勿論、プロになるつもりなら、
シナリオ全文写経はいつでも、何本でもやるべきだ。

しかし、その体力は最初からないだろうから、
「A4一枚にまとめたストーリー」を、
何枚も作ってみよう。
最低10本やると、ストーリーというものはどういうものか、
感覚で分かってくる。
3本じゃ足りない。5本だとジャンルに偏りがある。
出来れば100本やってみてほしい。
名作を100本見るのと兼ねている。


それだけ、「ストーリー専門」のことを考えていると、
頭の中にストーリーが浮かぶようになる。

浮かんだら、メモでもいいし文章でもいいから書く。
あとは、名作をA4にまとめたように、
自分のストーリーを書くと良い。


A4一枚のあらすじにまとまったものを、
いかにフィニッシュの台詞や場面転換にするかは、
また別の技能が必要になる。
しかし名作10本以上見てれば、
それはなんとなく出来るようになってるから安心したまえ。


「出来る」「出来ない」は、
一見頭の問題に見えて、体の問題だったりする。
テスト勉強を思い出すといい。
頭を鍛えるにはある程度根気や反復がいる。

ストーリーを書くという行為は、
○や×をつける簡単な出力ではなく、
一定の分量を出力しなければならない、
「頭の体力」の必要なものだ。
それは体を鍛えるのと同様、
ある程度の反復練習とバリエーションをこなすことで、
習得可能だ。

だから僕はプロット100本とか、三題話100本とか、
5分シナリオ100本とか、
長編よりも、短編の「数をこなすこと」を推奨している。
勿論長編を100本こなせればそれに越したことはないけど、
そりゃあおいらでも無理さ。

「これはそれをやる月」とスケジュールを決めて、
ひたすらに訓練をしていると思ってやるといいだろう。
11月は毎晩やる。
毎日腹筋するようなものだ。

成果は来年出るだろう。
少しずつ自分のストーリーが書けるようになる。
まだ部分だけかも知れないが、確実に前進する。
あとは自分にあう入門書を探すといい。
何が出来て何が苦手か分かってくれば、
勉強にも身が入るというものだ。

明日からダンスが急に出来るようになる方法はない。
明日からサッカーが急に出来るようになる方法はない。
明日から名曲が急に出来るようになる方法はない。
明日から絵が急に描けるようになる方法はない。
チートは出来る。パクればいい。
しかしそれはオリジナルを生む方法ではない。
こつこつ、やるのみだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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