2016年10月30日

会話のコツ

会話場面のこつをひとつ。
「会話場面をためしに全部書き、必要なところ以外を捨てる」こと。


「全部書く」というのは、
二人(以上)が待ち合わせしたり偶然会うところから始めて、
最近どうとか話して、
最近の天気とか流行とか噂話とかして、
ようやく本題に入り、
たとえば邪魔が入ったのを排除したり、
本題が脱線したのを元に戻したり、
次回会う予定を決めたり、
詰まらない冗談を言ったり、
中座した人の悪口を言ったり、
来週の予定を話したり、
初めてあったときのことを思い出したり、
帰り道のことを話して、何線に乗ればいいとか話したり、
このあといく場所のことを話したり、
次回までにやることを話したり、
そういうことを全部書くということである。

つまり、人と人の会話は、
大部分中身がない。

そのことのうち、ストーリーに必要なところに赤線を引き、
それ以外をまるごと捨ててみることだ。

勿論、今日の天気のことをあとの伏線に使ったり、
別れ際の会話で交渉がうまく進むなど、
無駄な会話を利用して本筋を進めるテクニックもある。
(コロンボの、いつもの、帰りますと安心させてからの、
ああもうひとつだけいいですか、のテクニックもそのひとつ)

それはあくまで応用編かも知れない。
基本は、
「ストーリーに必要なことだけを会話すること」だ。

というと、何がストーリーなんだっけ、となってくる。
この時プロットが出来ていないと、何を話していいか分からなくなる。
目的と行動計画である。

つまり、目的のない会話は、ストーリーに関係ない。
最も無駄なくするには、目的のある会話だけで、
会話場面を構成することである。

流石にそれだけだと息が詰まるので、
無駄な会話を入れたり、
一見無駄に見せて実は本筋、なんてテクニックが出てくるわけだ。

会議の議事録、
喫茶店の会話の全記録、
飲み屋での会話の一部始終、
ベッドの会話の一部始終、
それらを一度全て文字に起こしてみるといい。
ほとんどは無駄である。
しかし人間は、
無駄な会話をする生き物である。
無駄な会話を楽しむ生き物である。

その無駄が、ストーリー進行には関係ないというだけのことだ。

つまり、会話シーンとは、
ストーリー用の会話というものがあるわけだ。
現実の会話を知り、
ストーリー用の会話を知れば、
どうすればいいかが分かってくるだろう。



(「ファニーゲーム」の前半戦、
一見無駄な会話に見せての、
恐るべき展開に持ち込む様は、
一級の会話劇であった。胸糞映画なので注意。
意図的に無駄な会話を利用している点で、
このシナリオは逆をついていて上級者向けだ。
しんどい映画だが)
posted by おおおかとしひこ at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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