2016年11月04日

構造はストーリーラインである2: ストーリーライン同士の構造

ストーリーラインこそが、ストーリーの構造の骨格だ。
一本ならまあ単なる起承転結の短編だ。

長い話は、複数のストーリーラインが存在する。
それらの構造が、ストーリーの構造を決める。


よくあるのは、以下のようなものだ。

1. 主ストーリーラインと、副ストーリーライン
2. 対になるストーリーライン


1. 主ストーリーラインと、副ストーリーライン

主と副は、規模の大きさとか重大さとかではなく、
重点の置き方の大きさであると言って良い。

たとえば、第二次大戦中のラブストーリーならば、
日本の戦況は副で、ラブストーリーは主になるだろう。
たった二人のことが、セカイのことより大事になるはずだ。

主人公のメインプロットが主で、それ以外が副になる。
副は、映画の場合、経験的に二、三本あるそうだ。これをサブストーリーという。
サブは「副」以外にも、「水面下の」の意味があり、
そちらのニュアンスのほうが近いかもしれない。

主人公に関して、
メインストーリーラインとサブストーリーラインがある場合、
主人公は一本のストーリーラインで、
その他のキャラクターにもそれぞれストーリーラインがある場合、
(群像劇など)のパターンがあり得るだろう。

主人公は、たいていふたつ以上のストーリーラインがあるとよい。
たとえば、
冒険や事件解決の結末と、ラブストーリーの結末、
というふたつのラインを走らせることは、とても良くある構造だ。


2. 対になるストーリーライン

主副がない場合、大抵、対等な二本のストーリーラインを持つ構造のものが多い。
たとえば、
正義と悪、
主人公から見たヒロインのラブと、ヒロインから見た主人公のラブ、
宿命のライバル同士、
仮面の自分と真の自分、
バディ、
などである。
(バディは完全には対になってなくて、主副になっていることが多いけど)

これらの構造は、最終的に、
互いを殺すか、融合し合うかで決着することが多い。
いろんなところが対になっていると、対っぽくなるだろう。
「対照的な二人が」というパターンが多いのは、
対のストーリーラインを作るためだ。

これは大抵、表のストーリーラインが表のテーマを、
裏のストーリーラインが裏のテーマを語るように作られている。


ドラマ風魔はわかりやすく、
風魔サイドと夜叉サイドが対になっているわけだ。
風魔サイドのテーマは絆、
夜叉サイドのテーマは自分ばかり考えての分裂破滅劇。
表裏のテーマになっているわけである。


また、ストーリーライン同士は互いに独立して動くのではなく、
互いに影響し合う。
Aで起こったことはBに影響するし、
Bの決定を知ったうえでAでなにかしらの決断がなされる場合もある。
それらは融合したり(焦点がひとつになる)、
分裂したり(焦点が複数に分かれる)もする。
(そのきっかけをターニングポイントというわけだ)


理想は、クライマックスで、焦点がひとつに集約され、
それの成否を皆がハラハラしながら見守ることである。
(つまり第二ターニングポイントは、
すべての焦点がたったひとつに集約される、
クライマックス前のポイントなのである)


ストーリー作り、という行為は、
これらの脈を作るようなことだとイメージしておくと、
どういうストーリーを作るのか、
頭の中で妄想しやすいのではないか。

キャラクターが喋ったり仕草をするだけではなく、
目的を持った行動をすれば、
おのずとその結果が何かをもたらし、
影響し、誰かが反応したり次の行動を起こすはずだ。
その連鎖反応がストーリーなのだから、
その焦点がそれぞれのキャラクターの中でどう動くかの、
軌跡を作っていかなければならない。

それらが主/副のような構造なのか、
対になるような構造なのか、
ぐらいは事前にイメージしておくと、
ストーリー全体を俯瞰しやすいと思う。


慣れないうちは、ストーリーラインは3本までにするとやりやすい。
それは主要登場人物を3人までに絞るということである。
(※ 二人にすると、セカイ系が出来上がる)


実際には、5、6人主要人物はいるし、
ストーリーラインは3以上あり得るわけだが。
(さらに、ドラマや長期連載ものはもっと増えてくるだろう。
それらのストーリーラインの束をどうさばいていくかが、
連続ものの手綱さばきというものだ)
posted by おおおかとしひこ at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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