2016年11月05日

構造はストーリーラインである4:サブストーリーライン

他人の介入により、
ストーリーラインは複雑に、多段階化する。

さらにその他人にフォーカスしたストーリーラインを立てれば、
それがサブストーリーライン(サブプロット)になるわけだ。


その人にとっての、
動機や目的、焦点が、
いかに解決するまでかが、
その人のサブストーリーラインである。

2の所で示したように、
そのサブストーリーラインは、主に対して副になるときも、
主に対して対になるときもある。

ダースベイダーのサブストーリーラインは、
ルークスカイウォーカーの対になるサブストーリーラインとして、
当初は発想されたのだろうが、
急にそっちのほうが魅力的になってしまったわけだ。
(これはバキでも、オーガのほうが魅力的になってしまったことと、
似た現象である)

サブストーリーラインを作るコツは、
その介入した他人を主人公だと考えて、
その人のストーリーラインを作ることである。
勿論そのストーリーラインにまた別の他人が介入し、
話は複雑に、面白くなっていくはずである。
その別の他人は、主人公でもいいし、
また別の他人でも構わない。

つまりは、複眼的に「それぞれの事情」をとらえられるか、
ということが、
様々な登場人物が絡み合う、複雑な話が書けるか、
ということになるわけだ。

そしてそのサブストーリーラインも、
ひとつのストーリーであるから、
問題と解決、センタークエスチョン、
結末の意味(テーマ)、感情移入やカタルシス、
三幕構造などが備わっていることが、理想である。
それぞれ、サブ問題、サブプロットのセンタークエスチョン、
サブテーマ、などとして、メインと区別することがある。

ダースベイダーやオーガは、主人公以上に感情移入してしまうほど、
サブストーリーラインやキャラクターの魅力が増してしまった例である。

メインストーリーラインが面白くない話には、
往々にしてある現象だ。


また、これを避けるために、
主人公自体が複数のサブストーリーラインを持つ場合もある。
事件解決ものなのに、ラブストーリーも含む、
みたいな話は、
事件解決のストーリーラインが大して面白くなくても、
ラブストーリーのサブストーリーラインが良ければ、
名作扱いもされるというものだ。

ブレイクシュナイダーは、これを主人公のBストーリーなどと呼んでいる。

人間、抱える問題は複数ありうるわけだから、
この発展型はとても自然だと言えよう。


介入した他人にもサブストーリーラインを作ると、
話は複雑に、面白くなる。
こうやって、単純な話を引き伸ばして、面白くしていく。
(長期連載ものになると、主人公の話は止まっていて、
サブキャラの話ばかりしているものも少なくない。
「はじめの一歩」なんて露骨にそうで、
宮田の再戦中止からの板垣あたりで脱落した)

勿論、主人公の物語が、
最も分厚く、面白く、激しく、深く、
テーマを語るものでなければ、
それはメインストーリーラインの価値がないといえる。
メインストーリーラインを見失ったら、
再び問題とその解決への動機付けを確認すると、
いいかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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