プロの現場では、
初稿を書いた以上のアイデアと労力が必要とされることが多い。
それを何故だろうと考えている。
多くの現場でよくあることを述べる。
こういう感じのものを、と依頼
→それだけじゃ詰まらないので、
なにか別のものを足して初稿しあげる
→こういうのを頼んだんじゃない
→でもそれじゃ詰まらないですよね?
→とりあえず頼んだものを作ってくれ
→いやいや作る
→詰まらないな、頼むんじゃなかった
→だから面白いのは最初に出したでしょうが!
→あれは却下だ、別のを頼む(だって稟議に落ちたから)
→最初に戻れや!
→別のをたのむ
(いまここ)
依頼する側が勝手に盛り上がっていたり、
多くの人の意見だから簡単には却下出来ない場合、
依頼する側がバカな場合など、
冷静に企画を見れる力がないと、
このようなことが起こりがちである。
こうして脚本家は疲弊し、
新鮮味を失った、ダメな次善策しか出せなくなる。
さて、これを乗り越えるには、
ファーストコンタクト以上の、
新鮮なアイデアと体力が必要なわけだ。
こうして、初稿以外直さない、という大御所が増えて、
いくらでも直さなきゃいけない若手は死んでいく。
二の矢をつげる人はなかなかいない。
一の矢より強力な二の矢を思いつけるように、
柔軟でいよう。
一の矢を全部捨てる勇気がないと、
もったいないお化けにとりつかれ、
中途半端なものになるのは、経験的にわかっている。
捨てなければ作れない。
まったく、体力仕事である。
2016年11月11日
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