他人の不幸はたのしい。
小さな不幸から大きな不幸。
不遇、誤解、力不足、いわれなき差別、逆境。
自分発の不幸、他人発の不幸、犯人の分からない不幸。
それが、幸福に至るのが物語である。
つまり、あなたは、
不幸と、幸福と、幸福に至るルートの、
三つを創作するとよい。
ちなみにこれは、ハッピーエンドの場合を想定している。
バッドエンドやビターエンドは、この方法論を崩すだけなので、
以下ハッピーエンドの基本型について述べる。
行き先の幸福を決めないと、
最後まで書けない。
行き先が分からない旅は、大抵途中で挫折する。
(そして書けなくなってしまうか、
思いつきのバッドエンドで終わらせてしまう。
それは計画的に人を楽しませる、脚本というものではない)
不幸から幸福に至るルートを決めないと、
いつまでたっても進展しない話しか書けない。
また、そのルートが不自然で無理があるなら、
その話はちっとも面白くないだろう。
無理のある不自然な話だからだ。
不幸、幸福、ルートの3セットを決めること。
小さな不幸でも、大きな不幸でも、
小さな幸福でも、大きな幸福でもいい。
容易に想像できるように、
大きな不幸から大きな幸福に至るルートが、
一番面白く、一番人気で、
一番書くのが難しい。
小さな不幸から小さな幸福に至るルートは、
すぐ書けるけど、
それを面白く、人気にするのは、
別の技がいる。
(キャラクターやシチュエーションや意外性などだ)
出来ることをやり、出来ないことに挑戦することだ。
さて、不幸と幸福はどんでん返しのように、
表裏一体であり、物語中ではしょっちゅう二転三転することを知っておこう。
ひとつの不幸からひとつの幸福に至るルートの途中では、
幸福になったり不幸になったりするものだ。
その転換点をターニングポイントと言ったりする。
大抵の場合、
小さな不幸→小さな幸福
→少し大きな不幸→少し大きな幸福
→それより大きな不幸→それより大きな幸福
…
→最大の不幸→最大の幸福
のようにエスカレートしていく。
インフレといってもいい。
この上下のルートが面白く書ければ、
物語は面白くなる。
さて、まずは、
不幸、幸福、ルートの3セットだ。
これがひとつ出来るのなら、
あとは大きさをコントロールして、
増幅して繋げていくと長編が出来る。
プロットというのは、事前に作ったこの見取り図のことでもある。
2016年11月21日
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