とにかく最後まで書け。
決着がついて、落ちが着くまで書き終えろ。
勝負は二回目以降だ。
すなわち、リライトである。
最後まで書くと、
どんな形であれ「問題は解決した」
ということが書かれていることが、
一番大きな成果である。
最悪でも元の形に戻ればいいから、
以下のようなことを試せる。
さらに混乱を足してみる。
さらにピンチになる。
さらに凄い解決法になる。
一回失敗する段取りを加え、ハラハラを足す。
さらに危険度やリスクを吊り上げる。
テンポ上がるようにしてみる。
あえて一瞬安心するシーン(踊り場のような)を作ってみる。
全員の問題が一撃で解決するように、サブ問題やサブプロットを再調整する。
感動や笑いを加える。
テーマがより浮き彫りになるように、絵で示せるものはないか。それはイコンになるか。
ざっくりいえば、起伏を足したり、整理したり、再構成したりするわけだ。
一回でも「問題が解決した」のなら、
その過程をいじることは、部分的にも全体的にも可能なはずだ。
より面白く、よりハラハラと、より深く再構成するのである。
これは、創造的なリライトである。
原稿を見ずに再構成を構想し、
原稿を見ながら理想に近づけていくとよい。
なお、前のバージョンはコピーを取るなりして残しておこう。
最悪でも元のバージョンに戻れるようにするためだ。
(僕はファイルナンバーに001などと3桁の番号をつける。
大きな改訂があったとき、101、201などと百の位を足していく。
アナザーバージョンにはA01、B01などとアルファベットをふることもある。
アナログ原稿でやるときも、
一回目と二回目と三回目の筆記用具の色を変えて、
何回目に何を書いたかが分かるようにすることもある。
例:青→赤→黒→緑など。4回目は厳しいのでデジタルに移行するけど)
一回でも解ければ、あとは別解を探す、数学的な考え方かも知れない。
完成形はひとつだが、
間にいくつバージョンがあってもいいと思う。
最後まで書けてれば、バージョン違いを作ることはたやすい。
最後まで書けない人は、
そのあとにこういうことがなされていることを、
恐らく知らないし、経験もないだろう。
執筆は一回では終わらない、というハリウッドの格言は、
こういうことを指しているのである。
2016年11月24日
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