日本映画の絵がなぜ安いのかを考えよう。
予算と絵の良さは比例するからである。
予算があると、いい俳優女優を使える。
(予算がないと、聞いたこともない役者や、
いい役者の事務所のバーターを飲まなければならない)
予算があると、高い服を買えるし何着も用意できる。
(予算がないと、安い服しか買えないし、
一着を着回す)
予算があると、いい化粧が出来る。
(予算がないと、自分メイク)
予算があると、絶景のロケ地が使えるし、色んな所へいけるし、
多数のスタッフをホテルに泊めて何日も滞在できる。
(予算がないと、ショボいところを値切りながら借りて、
日帰りで行ける範囲である)
この辺は素人でも想像がつく。
服やメイクやロケーション(旅行と同じ)は、想像がつく。
次に専門的なこと。
予算があると、一日に撮るカット数を減らせる。
(予算がないと、短期間で沢山撮らなければならない)
予算があると、いい機材を使える。
いいカメラ、沢山の照明、時間のかかる撮影、長期間のスケジュール。
(予算がないと、ショボいカメラとショボい照明と、
わずかなスタッフでやりくりして短期間で寝ずにやるしかない)
予算があると、オーケストラが使えて、豊かな音響効果による感情の増幅が出来る。
(予算がないと、打ち込みのショボい音でヘボい作曲家、
または音楽なし)
予算があると、小道具が本物を使える。
あるいは本格的なモノを長期間かけて作り出せる。
(予算がないと、その日中に返さなきゃいけないショボいレンタル)
予算があると、マイクがいいマイクで録音部の人数も多くなる。
(予算がないと、ヘボいマイクのヘボい音声になり、
芝居が安く見える)
予算があると、音をじっくり作れる。
音は長い時間かけたほうがじっくり作れる。
(予算がないと、数日でMacの中で作ってMacのスピーカーで確認)
予算があると、CGがリアル。
(予算がないと、CGがヘボい。
CGの予算は概ね、人数×日数に比例)
予算があると、エキストラが大量に仕込める。
その人数の弁当やトイレの手配もできる。
(予算がないと、エキストラは数名レベルで、
しかもエキストラやったことない人を使わなければならない)
予算があると、クルマや馬や空撮など、ダイナミックなことができる。
(予算がないと、そんなものはハナからない)
これらは、絵の良さ、ガワの良さに比例関係がある。
だから、予算はあるにこしたことはない。
一方、脚本だけは、予算と比例するわけではない。
100万の脚本が、1000万の脚本より、
1/10の面白さで、1/10しかヒットしない訳ではない。
逆も然り。
つまり、脚本料だけは測定しようがなく、言い値である。
つまり、ハッタリと詐欺と不確定の横行する世界になる。
だから、脚本を見る目を持とうなのか、
だから、脚本とは関係ないガワで測定しようなのか、
二者択一である。
今後者の流れである。
僕は、前者のことをしたい。
2016年12月09日
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