ミッドポイントの整理以外にも、
第一、第二ターニングポイントを整理するのは、
リライトの時によくやることだ。
同様に、
第一、第二ターニングポイント以前と以後の、
焦点(明示的目的)を整理して表にするとよい。
特に重要なのはその後の焦点で、
第一ターニングポイントならば、その後、
二幕全体もしくはミッドポイントまでの焦点になっているか、
第二ターニングポイントならば、その後、
三幕全体の焦点になっているかをチェックするとよいだろう。
そうすることで、
全体の骨が歪んでいないかどうかをチェックできる。
三幕構成理論というのはそういう仕組みだ。
ところで、
第一、第二ターニングポイントにはさらに大きな役割があって、
それがセンタークエスチョンの提示だ。
実際的には、それぞれ二幕、三幕の焦点なのだが、
それが「この話全体のセンタークエスチョンにも見える」ように書いておくと、
大ターニングポイントの役割をうまく果たすことになるだろう。
(もちろん、明示するのは三流で、一流は暗示で書くものだ)
リライトにおいては、
シーンの構成やストーリーラインが変わることもある。
テーマも変わることすらある。
主人公が変わることも、なくはない。
そういうとき、
元の第一ターニングポイント、ミッドポイント、第二ターニングポイントが、
書き直したストーリーの、
第一ターニングポイント、ミッドポイント、第二ターニングポイントに
なっているとは限らない(むしろ前のバージョンのそれが邪魔をすることが多い)、
ということを想定しておこう。
それは、簡単にいえば、
ストーリーがリライトによって、別のストーリーになったからだ。
別の骨格になるべきなのだ。
新しいストーリーのそれぞれの大ターニングポイントはどこか、
それは適切な尺の位置にいるのか、
それはそれぞれの役割をちゃんと果たしてるのか、
をそれぞれチェックして、
骨格の構造を書き直すとよいと思う。
部分を手直しするのは誰でも出来る。
監督、俳優、俳優事務所、プロデューサー、制作員会、あるいは現場の状況。
その歪みを歪んだままにせず、
別物のストーリーになってしまっていたのだとしたら、
その別物のストーリーで大ターニングポイントを設定しなおすことが肝要だ。
それは脚本家にしか出来ない芸当だと思う。
(大抵の脚本を直したがる人は、
「全体に影響しない部分直し」をしたがる傾向にある。
責任が全体に及ぶと手がつけられないからである。
しかしそれは全体に及んでしまうことが、まれによくあるのだね。
たったひとつの台詞ですら、全体を集約したものであったりする。
それを直すことは、全体をやり直すことだったりするわけだ。
ベテランは調教されすぎて、部分直ししても全体に影響が出ないような、
ぬるい脚本を書きがちだ。だって毎度毎度全体直ししてたら、
疲弊して死んでしまうものね)
2016年12月29日
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