2017年01月04日

コスプレ写真2

全面ライトを当てて、証明写真のように撮るから、
安く見えるのである。

雰囲気のある写真、雰囲気のある部屋はどんなだったか思い出すと良い。
それは、どこかほの暗い要素があるものだったはずだ。
ジョジョという物語の立ち位置は、
証明写真のようなものだったか、
雰囲気のあるものだったか。
後者のはずである。

ということで、元のビジュアルに手を加えてみた。
暗いと不平を言うよりも、進んで明かりをつけましょう。


やったことは、マスク切りとカラー補正、
襟元のマークを大きくしたこと、
服にカラーライティングしてみたことなどだ。
これらは「デジタル現像」と現在では呼ばれる、
写真撮影後の加工である。
アナログ時代は「現像」と呼ばれていた過程を、
フォトショでやるからこういう。

もちろん、撮影からやり直せるなら、ライティングそのものを変えたいが、
同じ写真からでも、加工によってはこれぐらいの差をつくることは出来る。


これが加工してみたもの。
JOJO2.jpg

これが元のコスプレ。
JOJO1.jpg



以下その理屈。
紫は暖色、緑は寒色。
補色関係にある。
荒木の色使いは、紫緑の、日本人があまりやらない色使いが多い。
なので、同色背景のもとよりも、
補色関係の背景にさしかえ。
で、暖色の闇よりも、寒色の闇のほうが、
ジョジョに合っていると考えた。
なので、紫の背景はないと思う。

雰囲気をつくるため、全体に色を落とす。
闇の文脈をつくるため、服全体にハイライトを足す。
ただライトの前に立っている以上の文脈、
つまり、闇に身をひたしている謎めいた雰囲気が出る。
ジョジョに求められている雰囲気は、こういう感じではないか。

さて。
元の写真は、アニメや漫画の「再現」を試みたように思える。
修正版は、原作の文脈を、「写真の言葉」に変換しなおしたものだ。

元の写真は同じである。
色加工が違うだけだ。


今の宣伝部は、
どのような雰囲気をつくればよいか、話し合っていないのだろうか。
だからこそ、この修正版のような考え方ができないのだと思う。

ところで、
こういうもっと出来のいい宣伝写真がある。
実写版ルパン三世だ。
それぞれのキャラクター単品の写真は、
実に世界観をよく表現していて、
写真の言葉で原作を表現している好例だった。
話の出来は、しらん!



文脈とは、
写真以前に存在するものではないかと考える。
今回でいえば、「ジョジョという世界がもっている雰囲気」だ。
そしてそれを創作することが、
脚本という仕事のはずだ。
posted by おおおかとしひこ at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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