2017年01月07日

2号の特徴

前のつづき。


1号と同等のものに置換せず、同等のものを足してしまう。
(そのせいで、大事なものが二つになってしまう。
大事なものはひとつにひとつであるべきで、
二つになることで話がボケてしまう。
2号は1号の改良型なので、どうしても1号に足してしまうのだ)

1号の大事なものを、別物に置換してしまう。
(失敗する続編の典型。
せっかくあれが良かったのに、と言われる)


1号の良かったものをより良くして、
欠点を埋めるだけでよいのに、
1号に匹敵するものを足して別物にしてしまう。
シングルではなくツイン前提にしてしまう。
あるいは1号の影も形もないものになる。
それが、二稿でやりがちなことだ。

1号の何がよくて何がよくなかったかを、
上手く見極めないと、
2号にしてしまう。
自信がなかったり、過信したりで。

だから他人の目は重要なのだが、
(つまり良いところは良いと判断し、
ダメなところはダメだと言うこと)
他人がそれを正しく指摘出来る保証はない。
ただでさえ最近の商業プロデューサーは、
売れる要素のあるなししか見ないし、
もっとダメなプロデューサーは、
上から与えられた指令が実現してるかどうかしかチェックしない。

二稿は、一稿をより良くするためにある、
ということを忘れてはいけない。
足しっぱなしの2号や、
別物の3号を作ることではないのだ。

ではその1号の良いところ、
たったひとつの大事なことは何かというと、
それがメインプロットなんだよね。


この1号を作ります、
という事前の方向づけがしっかりしてないと、
全然違う2号から16号ぐらいまで産み出してしまい、
結局1号に戻るなんてことがありがちだ。

その方向づけが事前イメージ出来ないから、
「まず書いてみてよ。それからリライトしよう」
なんてあやふやにスタートして、
操舵がヨレヨレになると、
僕は思っている。

で、事前にメインプロットが出来ているかどうかを判断できるのは、
そういったヨレヨレをたくさん経験することしかないんだよね。
「これはこういう失敗をすることがあるぞ」
と予感できないと、
リライトの嵐を渡っていくことは到底できず、
大抵難破するものだ。


で、
僕のオススメは、
短編をたくさん書いて、
メインプロットのバリエーションを経験しておくこと、
というわけだ。
つまり、2号ではなく1号の経験を積めと。
posted by おおおかとしひこ at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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