前のつづき。
1号と同等のものに置換せず、同等のものを足してしまう。
(そのせいで、大事なものが二つになってしまう。
大事なものはひとつにひとつであるべきで、
二つになることで話がボケてしまう。
2号は1号の改良型なので、どうしても1号に足してしまうのだ)
1号の大事なものを、別物に置換してしまう。
(失敗する続編の典型。
せっかくあれが良かったのに、と言われる)
1号の良かったものをより良くして、
欠点を埋めるだけでよいのに、
1号に匹敵するものを足して別物にしてしまう。
シングルではなくツイン前提にしてしまう。
あるいは1号の影も形もないものになる。
それが、二稿でやりがちなことだ。
1号の何がよくて何がよくなかったかを、
上手く見極めないと、
2号にしてしまう。
自信がなかったり、過信したりで。
だから他人の目は重要なのだが、
(つまり良いところは良いと判断し、
ダメなところはダメだと言うこと)
他人がそれを正しく指摘出来る保証はない。
ただでさえ最近の商業プロデューサーは、
売れる要素のあるなししか見ないし、
もっとダメなプロデューサーは、
上から与えられた指令が実現してるかどうかしかチェックしない。
二稿は、一稿をより良くするためにある、
ということを忘れてはいけない。
足しっぱなしの2号や、
別物の3号を作ることではないのだ。
ではその1号の良いところ、
たったひとつの大事なことは何かというと、
それがメインプロットなんだよね。
この1号を作ります、
という事前の方向づけがしっかりしてないと、
全然違う2号から16号ぐらいまで産み出してしまい、
結局1号に戻るなんてことがありがちだ。
その方向づけが事前イメージ出来ないから、
「まず書いてみてよ。それからリライトしよう」
なんてあやふやにスタートして、
操舵がヨレヨレになると、
僕は思っている。
で、事前にメインプロットが出来ているかどうかを判断できるのは、
そういったヨレヨレをたくさん経験することしかないんだよね。
「これはこういう失敗をすることがあるぞ」
と予感できないと、
リライトの嵐を渡っていくことは到底できず、
大抵難破するものだ。
で、
僕のオススメは、
短編をたくさん書いて、
メインプロットのバリエーションを経験しておくこと、
というわけだ。
つまり、2号ではなく1号の経験を積めと。
2017年01月07日
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