アイデアは100個出せ。
少なくとも20出せ。
常に数を出す訓練をしよう。
たとえば大喜利番組を見たら、
回答を見ずにいったん止めて、
100考えよう。
プロの芸人と勝負だ。
うちの演出部でも、
時々そういうのを戯れでやったりする。
こないだのは、
「日本のホラー映画っぽいタイトル」と、
「アイドルのキャッチフレーズ」だったか。
ちなみに僕のお気に入り架空ホラータイトルは、
「薬指をよこせ」。
(結婚指輪をもらえずに死んだ女が、
結婚指輪をはめる為の薬指が欲しくて、
次々と女の薬指を切り取る話)
仲間うちで勝負してもいいし、
一人でコツコツやってもいい。
数を出すことは、
自分の広さ(狭さ)を知ることになる。
また、意外に自分はこんなことも発想する、
という発見もあったりする。
で、本題。
数を出すことを経験していると、
100のアイデアのうち、
70は使い物にならないことを知る。
まともなものは三割以下だろう。
どんなにレベルの高いものを100出しても、
そのなかで優劣が生まれ、
やっぱり上位三割くらいが良いということ。
ちなみに適当なものを100出したら、
今度は使えるものがひとつもないという不幸に出会うことになる。
手を抜くとろくなことがない。
数を出すと分かることは、
個々のアイデアには色んな面での評価軸があるということだ。
たとえば、
「日本のホラー映画っぽいタイトル」というお題なら、
怪談ぽいのか、
ネットでありそうなやつか、
Jホラーっぽいのか、
少女漫画っぽいのか、
などに分かれるし、
一見普通なのに実はホラーとか、
キャッチーなのにホラーとか、
暗い感じとか、
逆に明るいと怖いとか、
メジャーっぽいとかビデオリリースっぽいとか、
アメリカで作ったやつっぽいとか、
落ちが読めるとか、
話が読めなさそうとか、
色んな評価軸がある、ということに気づく。
いいやつは、
それら複数の評価軸で得点が高いものや、
ひとつだけ突出してるかのどっちか、
ということが多い。
数を出すと分かることは、
世の中のアイデアは、そうやって評価される、
ということである。
これに慣れていると、
困ったときもなんとかなる。
たとえば、
「主人公大ピンチ!ここから抜け出るあっと言わせる解決法とは?」
と自分にお題を出して、
100考えればいいからである。
大概は無理や矛盾が生まれるけど、
100に1ぐらいは、面白いアイデアに化けることもある。
それは、普段から、
「いかに枠組みに左右されず、柔軟に考えられるか」
が出来ているかどうか、ということだ。
逆に「こういう枠組みからの評価軸もあるよね」
と問題をひっくり返せることが、
柔軟な考えを生む。
面白いアイデアが生まれたら、
それありきで以前を書き換えてしまう手もある。
そうすればこうしたほうが面白い、と更にアイデアが連鎖的に出ることもある。
(それが当初の目的と違いすぎるかどうかは、
全体が見えてきてからあらためて検討すればよいだけだ)
数を出すこと。
詰まらないものを出さないこと。
常に前出したのよりいいものを出すこと。
そうやってもなお上三割しか使えないこと。
なるべく複数の評価軸を想定すること。
プロはそうやって毎日鍛えている。
2017年01月16日
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