2017年01月18日

クロスオーバーは失敗する

古くは「マジンガーZ対デビルマン」なんて企画で、
僕はクロスオーバーという概念を知った。
ところで、クロスオーバーは失敗する。

なぜか。
キャラクターありきで、
ストーリーがないからである。

じゃあストーリーってどうやって作るんだって話だ。


ストーリーは、
事件と解決から作る。
それがどういう意味を示すかを確定させる。
それから膨らましていく。

舞台、サブエピソード、
主人公の内面の冒険、
日常と非日常、
中盤の展開、
伏線をどう引くか、
アンタゴニストや仲間。


キャラクターは、実はほとんど最後に作る。
キャラクターから作っても必ずうまくいかない。
上に必要なことは、
キャラクターオリエンテッドではないからだ。

キャラクターに合う話をつくるほうが、
話に合うキャラクターをつくるより、
10倍ぐらい難しい。
(当社比)


クロスオーバーが企画するときはワクワクするのは、
キャラクターがすでに決まっていて、
想像力をかきたてられるからである。
「こいつらが集まったら、
一体どんなことになるんだろう?」ってね。

でもそのワクワクに対して、
現実のストーリーは大して面白くない。
ワクワクしてたときのほうが良かった。

たとえるなら、
プレゼントを貰う前の、想像してた時のほうが楽しかった感じ。
女性と付き合う前のほうが妄想できた感じ。
遠足の前の日のほうが楽しい感じ。

クロスオーバーの最大の楽しみは、
クロスオーバーが決まってから、
実際のモノを見る前までだ。
つまり、宝くじと一緒で、
クロスオーバーは夢を買う商品なのである。
(宝くじとどっちが当たる?)


たとえば、
○○の作品のやつらと、
△△の作品のやつらが闘うことに!
どっちが勝つ?
というクロスオーバーは、
必ず失敗する。

なぜか。
○○と△△に、本編以上の闘う理由が創作できないからである。
○○や△△は、
その本編内で生きる動機や目的を持っている。
それ以上に深刻で、危険な何かがない限り、
彼らは闘う理由を持てないのだ。

ちなみにどっちが勝っても遺恨が残る。
どちらかは悪にならなければならず、
敗北した側は今後の商売に響くからである。

アベンジャーズはうまくやっていて、
共闘することでクロスオーバーを成立させている。
スター軍団vs全ての悪を越えた大悪、
という構図だ。

しかしそれを一回やってしまうと、
そのメンバーは本編に戻れなくなる。
本編以上の敵を倒してしまったので、
インフレが起こっているからだ。
グレードダウンした敵を倒す話はいまいちだし、
さらに凄い敵なら、あのときのメンバー集めればいいじゃん、てなってしまう。

つまり。
クロスオーバーは、
既に終わった材料を、
再びこねなおす再生料理でしかなく、
死者が墓場から一時甦るだけなのだ。



キャラクターありきで、
とても面白く、意義のある話をつくれるのなら、
この限りではない。

でもそれはすぐに、
「キャラ設定は書けるんだけど、
ストーリーが思いつかない」という、
初心者がぶち当たる壁にぶち当たる。

その乗り越え方は、
僕は今のところ持っていない。
「先にストーリーを作り、
それに合うキャラクターを作る」
という、やり方ごと替える方法しか勧めない。


クロスオーバーは失敗する方法論だ。
試しにやってみな。
途中で詰まらずに最後まで面白いなら、
才能があるからどこかに売り込みなさい。

キャラクターだけいても、話は始まらない。
必要なのは、面白い事件だ。
posted by おおおかとしひこ at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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