若手にちょっとアイデアを出してよ、
なんてプロデューサーがあとを立たない。
苦しい制約条件の中で藁をもすがるのだろう。
そういう人に限って、
条件を細かく指定してくる。
○○で△△で、□□を満たすアイデアをよろしく、と。
そういう人は、アイデアが何かを知らない素人だ。
アイデアとは、考えてもみなかったところから、
新しい結び付きを見つけることである。
制約条件、○○、△△、□□、
の中でのアイデアなんて、
探索すればすぐ全空間探索出来る。
何人もが考えて出なかった状況なら、
それは恐らく全探索されたのである。
だから、そこに鉱脈は眠っていない。
それらを解決する、
素晴らしい新しいアイデアというものは、
その制約条件の外からやってくる。
それさえ突破できれば、
○○も△△も□□も、動かせる条件だった、
とあとで分かることが多かったりする。
だから僕は、
アイデアを出すとき、
「一番しなければいけないことは何か?」
と、ひとつだけ決めて取りかかる。
二つも三つも制約条件を考えることは出来ない。
全方位に剛速球を投げないと、
まずは剛速球にならないからである。
最初からスローボールだったら、
その回の登板は剛速球には戻せないからだ。
ということで、
制約条件の厳しいアイデア出しで、
その制約条件を律儀に守っても、
何もいいことはない。
精々微妙で使えないアイデアだらけになり、
妥協案として劣等比較的ベストが採択されるだけだ。
素晴らしいアイデアを出すためには、
与条件を疑うこと。
この条件でなければ、こういう面白いことがあり得る、
というものを出そう。
それがとてもワクワクするのなら、
条件設定ごと変えていく力を持つはずだ。
何故なら、いいアイデアというのは、
必ず「そういう考えはなかった!」と言われるものだからである。
アイデアとは、
普通考えないことを考えて出来上がる。
普通の中では生まれない。
2017年01月25日
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