参考になれば。
1 テーマになりそうな問題を考える。
問題とその解決法をセットで考える。
そうするとこういうことを言えるよね、
というテーマを導き出す。
テーマが現代的だったり、新しく見えるのがいい。
だから問題のモチーフ自体も現代的なのがいい。
2 中盤の展開をざっと考える。
他にサブ問題はあり得るか、
それはテーマを描くモチーフになっているか、
が主な着眼点。
3 具体的に、どこの世界を舞台にしようか考える。
たとえばサラリーマンものを舞台としようとしていても、
魚屋を舞台に出来るかもしれない。
スイーツ業界の闇で、このテーマを描けるかも知れない。
キャッチーな世界が舞台になれば、
地味な世界(ただのサラリーマンの社会の話)よりも、
目玉を用意しやすいからだ。
4 キャラクターをつくり始める
舞台が決まれば取材を始める。
先に舞台やキャラクターがいる場合もあるけど、
ここからようやく、
「その舞台でそのテーマを描くためには、
どういうキャラクターが一番面白いか」を考え始める。
勿論主人公を練るのだが、
周囲のキャラクターも重要だ。
キャラクターが勝手に喋り出すまで詰めていく。
5 プロットの全体の見取り図を書いてみる。
文章ではなく、断片と線とか丸とかで書いたもの。
まだ暫定でしかない。
6 キーになる場面を考える。
場面のキャラが立つようなことを考える。
記憶に残り、絵になる、イコンになるかどうかということ。
7 揃ったら、一回文章で書いてみる。
論理的な整合性があるかとかは、
一回文章で考えてみると穴が見えやすい。
(なんで?とかを防ぐことが出来る)
どこかで詰まったらどこかに戻ってやり直し。
僕の場合、主人公は出来てるけど他のキャラクターが弱いことが多く、
大抵他のキャラクターを詰めていくことで、
絡みを新たにつくる。
他のキャラクターの目的をつくり、
それがテーマとどう絡むか(テーマの対比になっているか、
部分になっているかなど)をチェックしていく。
テーマと関係ないのなら、そのキャラクターの存在意義は薄い。
で、一本の文章にうまくなったら、
ペラ一枚に短くしたり、
ログラインを書いてみたりする。
で、またどこかに戻って書き直して、
より面白そうにしていく。
それが書けるな、と思ったら、
書き始める。
大抵、舞台になっている世界の季節感まで見えたところで、
書き始めるかなあ。
デジタルは一切使わない。
試行錯誤にデジタルは向いてない。
簡単に成形できるけど、成形が目的ではなく、
成形していく過程こそが、ものをつくる行為だからである。
つまり、一番ものづくりの核心を、
機械に委ねてはいけない。
試行錯誤は一番しんどいからこそ、アナログでやるべきだ。
慣れてきたら頭の中で出来るようになる。
そろばんがなくてもそろばんが出来るように。
(アウトラインプロセッサとか、
ArtOfWordsみたいなのを使いたがるやつは、
下半身を鍛えていない野球選手みたいなことだ。
そこを鍛えて頭の中で自在になることが、
作家ということだと思う)
2017年02月10日
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荒木飛呂彦みたいなことをするんでしょうか。
あの人は確か、
メチャメチャ詳細な履歴書みたいなのを作ってましたよね。
あれぐらいの履歴書は、映画なら結構ふつうですよ。
僕は年表書いたりもします。
(荒木さんは映画も好きだし、脚本入門書のその方法論を使ってる可能性が高い)
それはあくまで基本でしかなく、
過去記事にも書きましたが、
「目的」と「それにつながる過去の事件や動機」のほうが大事です。
たとえば今つくってるキャラクター。
「能楽師で、千の役を演じる仮面をもっている」
というキャラクターなのですが、
それは「過去に転校ばかりで友達をつくるのが下手で、
演じることばかり得意になってしまった。
だから本当の顔がなんなのか、自分でもわからなくなっている」
なんて過去を創作したりしてます。
このエピソードがあるないで、目的にリアリティが増したりするので。